名産品に喜ばない理由を問うと――帰ってきた言葉は、「そのお客さまのお住まいは、どちらかしら?」

投稿日:2025年3月25日

 

一昨日の日曜日、東京の気温は25度を超え、今年初めての夏日となりました。昨年より8日も早い観測となったそうです。ほんの数日前、雪が降っていたのが信じられないですね。

先日のブログに続いて、“おもてなし”の話をいたします。

ある観光地のスパでは、お客さまがお帰りになる時に、必ずお土産をご用意していました。
オープンしたばかりのそのお店は、その土地の名産品を大量に仕入れており、観光客のお客さまに差し上げることで、とても喜ばれるだろうと想像していました。
その日も、40代のお客さまを誠心誠意トリートメントし、いつものように地元名物のスイーツを、細かい説明を添えて差し出しました。
ところが、そのお客さまはそれほど喜ぶことはなく(もちろんお礼は言いましたが)、帰っていったそうです。

〈甘いものが苦手だったのかしら・・・〉

そう思った彼女は、ある日、母校の先生に会った時にその話をしました。
すると帰ってきた言葉は、予想していなかった言葉でした。

「そのお客さまのお住まいは、どちらかしら?」

そうです。そのお客さまは地元の方で、しかも、その名産品を販売している店主だったのです。

先生からは、次のような助言もいただきました。

「カルテをチェックすれば、観光客なのか、地元のお客さまなのかが分かるはずです。マニュアル通りにお土産を出すのではなく、いくつか用意しておくといいですね。
ちなみにそのスイーツは、日持ちするものでしたか? お客さまはその日に帰るのか、旅の途中なのか、車で帰るのか、飛行機で帰るのか、さらに宿泊場所はどこかなどによって、お土産を変えてみてはどうでしょう?
良かれと思ってやったとしても、自己満足になってしまっていないですか? 本当にそのお客さまのことを考えていましたか?」

その話を聞いた時、遠い昔のある出来事が、急に蘇ってきたのです。

それは、学生時代に野沢温泉の居酒屋でアルバイトをしていた時の話。
その店の大将(店主)は、来店時に提供するお通しを、いつも数種類用意していました。
新鮮で美味しい野沢菜をすべてのお客さまに提供するのだろうと思っていたのですが、常連のお客さまには、それぞれの好みに合わせてお通しを変えていたのですね。
当時は、なぜ人によってお通しの種類を変えているのか、あまり理解していませんでしたが、先程のスパのお土産の話を聞いた時に、「あれはきっと、常連のお客さまだったのだ!」と腑に落ちたのです。

セラピストの先生に話を戻すと、その方は、こんなことも言っていたのだそうです。

「お客さまが望んでいないことを押しつけてしまう、セラピストの自己満足のホスピタリティにならないようにしましょうね。
例えば、寒い冬に、スパのお風呂でしっかり温まったお客さまのバスローブの中に、身体が冷えないようにとカイロを入れて温めておくお店がありました。でも、誰にでも行うのではなく、カウンセリングの時に、その方は冷え性なのかなど、さりげなく確認しておくことが必要ですね。だって、暑がりの人には、かえって迷惑ですよ」

また、こんな話も・・・。
「アフターサービスでお出しするハーブティーやおしぼりのタイミングが早すぎてしまうと、お客さまによっては冷めてしまいます。メイクの時間が長かったり、メイク後に必ずトイレに行って、しかも長時間出てこなかったりすることもありますから。リピーターのお客さまだったら、行動パターンを把握しておくこともできますよ」

夏日になったり雪が降ったりと、寒暖差が激しいこの季節。
でも、必ずしも気候だけに合わせるのではなく、1人ひとりに合わせた決してマニュアル通りにならない“おもてなし”が必要ですね。

編集部I

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