
「自己肯定感という言葉は、近年とても身近なものになりましたが、その一方で、“自己肯定感は高いほうがよい” “低いのはよくない”といった単純な理解が広がっている印象もあります」
こう語るのは、公認心理師、臨床心理士の藤本志乃さんです。

自己肯定感とは、心理学的に見ると「自分を無条件に好きでいること」や「常に前向きでいること」を指すものではなく、うまくいかない自分や弱さを抱えた自分も含めて、「全面的に否定しきらない」という感覚に近いものだそうです。
セラピーや心理カウンセリングの現場では、自己肯定感が低いと言われるクライアントに対して、「自信を持って」と励ますよりも、その人の環境や関わりから身につけた「心のあり方」に着目してほしいと藤本さんは言います。
現在発売中の「セラピスト4月号」では、自己肯定感の背景にあるものが何であるか? そして藤本さんが専門としている、認知行動療法を基盤とした心理療法である「ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)」について解説しています。
「セラピストとして大切なのは、自己肯定感の低さを“欠点”として捉えるのではなく、その人が置かれてきた環境や関係性への適応の結果として理解する視点です。自己肯定感の低さは、本人の怠慢や意志の弱さの結果ではなく、生き延びるために身につけてきたひとつの“心のあり方”なのです」(藤本さん)
以下は、自己肯定感の高低をセルフチェックできる「ローゼンバーグ自尊感情尺度(Rosenberg’s Self Esteem Scale:RSES)」です。
国内外で広く用いられている自己肯定感(自尊感情)の程度を測定する尺度で、以下10項目について、①強くそう思う ②そう思う ③そう思わない ④強くそう思わない、のいずれかを選び、合計点を算出します。
なお、この尺度は診断目的ではなく、あくまで気づきの材料としてご活用ください。

編集部I















