
少し前に最終回を迎えた朝ドラ『ばけばけ』は、明治の文豪であり、日本に帰化した最初の外国人として知られる小泉八雲と、その妻である小泉セツの人生をモチーフにした物語でした。「うらめしい、けど、すばらしい」という印象的な言葉の通り、日々のささやかな営みの中にある家族のぬくもりや愛情を、そっとすくい上げてくれるような作品だったように感じます。
さまざまな捉え方ができるドラマですが、そのひとつに「ケアラー」としての主人公という視点があります。主人公・松野トキ(小泉セツがモデル)は、幼い頃から借金を抱えた家族のために働き、「誰かを支えること」に慣れ親しむあまり、それが心のよりどころとなり、知らず知らずのうち依存的な関係性になっていたのではないか――そんな見方もあるようです。だからこそ、さまざまな事情を経て生まれ育った松江を離れる選択は、結果的に家族にとっても、本人にとっても「心の自立」へとつながる一歩だったのかもしれません。
近年では「ヤングケアラー」という言葉も少しずつ知られるようになってきましたが、その支援体制はまだ十分とは言えません。また、家族のケアは、ときに“母親の役割”として当然のように求められることもあります。しかし、その負担が過度になっていないか――いわば“ケアする人のケア”という視点は、これからさらに大切になっていくテーマでしょう。
セラピストの立場から見ても、「ケアラーのためのケア」に意識を向けることで、これまで見えにくかったニーズやサポートの可能性が、浮かび上がってくるのではないでしょうか。
編集部M















