
雑誌「セラピスト」では、長島司先生の連載企画「和の調香レッスン」を掲載しています。現在発売中の「セラピスト8月号」では、京都の精油蒸留工房「香り工房 凛」さんを紹介しました。代表の足利加栄さんは、“京都の情景”を香りで感じられるような精油づくりに取り組むほか、その精油を元にオーデコロン制作も行っています。ここではオーデコロンの制作について紹介します!

神祭具の制作時に出る檜のかんなくずを原料に使う
「香り工房 凛」のオーデコロンづくりは、「蒸留した精油の魅力をさらに広げたい」という代表の足利さんの想いから始まりました。きっかけとなったのは、蒸留の指南を受けている長島司さんからの提案を受けたこと。一般的に檜精油はブレンドが難しいとされるなか、「匠の檜 精油」の香りを試した長島先生は、ブレンドしても檜の香りの軸がしっかりと残ることに可能性を見いだしました。こうして、檜精油を生かしたオーデコロンづくりが始まります。

榧の実は縁のある人者で、自然落下したものを拾い集めて蒸留する
さらに、希少性が高く、力強い香りを持つ榧(かや)の実精油にも可能性を感じ、檜精油と榧の実精油、それぞれを主役にした2種類のオーデコロンが誕生しました。調香は長島さんに依頼。単に精油の香りを整えるのではなく、植物が育った土地や、そこに息づく文化まで香りで表現することを目指しました。

檜精油をベースにした「洛詩香」は、京都の古寺に漂うお香や、長い年月を重ねた柱の空気感をイメージしました。一方、榧の実精油をベースにした「栢の杜」は、京の寺社を包み込む榧の香りと、明るい陽光の中を心和ませながら歩く参道の情景を表現しています。どちらも「京都の寺社の情景を香りで表現する」ことをコンセプトとしています。

「初めて手がける商品だったからこそ、香りだけでなく、瓶へのシルク印刷などパッケージにもこだわりました」と足利さん。そのデザインは、現在のロゴにもつながっています。実際に使った方からは、「時間とともに香りが変化していくのが心地よい」という声もあるそうです。天然精油ならではの繊細な移ろいを楽しみながら、植物の香りを通して、その土地の記憶や情景に触れられるプロダクトを目指しています。
また、9月発売予定の「セラピスト10月号」は、「アロマパフューム特集」です! 興味のある方は、こちらもぜひお手にとってみてください。
編集部M













