
コスメを選ぶ上で健康への関心が高まる中、最近では「天然成分配合」の化粧品が増えてきました。しかし、成分が100%天然、あるいはそれに近いコスメは、まだあまり多くありません。
こうした状況を踏まえると、安心・安全なコスメを使う方法のひとつとして、自分で手作りするのもよい選択といえるでしょう。『セラピスト4月号』では、アロマテラピーとアーユルヴェーダのセラピストとして活動し、手作りコスメ教室も開いている後藤由希子さんが、天然成分100%のファンデーションの作り方を教えています。
ここでは、材料・レシピをより詳しく紹介します。
【材料】リキッドタイプに挑戦!天然成分を選ぶコツは?
今回作るのは、パウダータイプではなく、リキッドタイプのファンデーション。そのため、水分を含む化粧品には、水が腐敗しないようにするための「防腐剤」と、水と油を混ぜてクリーム状にするための「乳化剤」が必要です。一般的なコスメでは、これらの多くに合成成分が使用されています。水分を含むだけで、製造の難度は一気に高まります。
まず大切なのは、「合成成分を使わず、天然成分で防腐効果をもたせることです」と後藤さんは説明します。「あるいは、水を使わずに油分のみで作る方法もあります。例えば、バームのようにミツロウにオイルを溶かして仕上げる方法です。また、精油の中にも防腐効果が期待できるものが多くあり、たとえばローズマリーなどを活用する工夫も重要になります」

手作りコスメの作り方を教えてくれる後藤由希子さん
そして今回、乳化剤として使用したのはレシチンです。レシチンは主に大豆や卵黄に含まれるリン脂質の一種。ただし、天然成分は分離しやすい性質があるため、保存状態や品質への影響を考慮し、基本的には1か月以内に使い切ることが推奨されます。

大豆由来のレシチン。乳化剤として使用する。
《材料》
〈A〉
・精製水 30㎖ ・キサンタンガム 耳かき1杯 ・煌繭(あれば) 3振り
〈B〉
・レシチン 1g ・アルガンオイル 5㎖ ・ひまし油 1㎖
・色材マイカ 4.5〜5g ・酸化チタン 適量 ・みつろう 3粒
〈C〉
・精油 合計5滴
※防腐効果のあるもの(ローズマリー、ミルラなど)を必ず含める。
ほか化粧品に適したラベンダーやゼラニウムなどがおすすめ。
キサンタンガムは、とろみをつけるための天然由来の増粘・安定剤で、少し入れることで水を安定させます。また、ミツロウも乳化効果として使用します。ひまし油(キャスターオイル)は、トウゴマの種子から抽出される粘度の高い植物油。マイカ(雲母)は鉱石由来の色材で、数十種類の色があります。白色には酸化チタンを使用します。

今回で使用した材料一式。
【作り方】色味や粘度を調整しながら自分好みのものを作ろう!
①材料AをビーカーA(50㎖)に入れ、ミルクフォーマーで混ぜてから湯煎する。

②材料BをビーカーB(150㎖)に入れて湯煎し、ミルクフォーマーで混ぜる。※色材は使う人の肌の色に合わせて調整。

③Bがしっかり溶けて均一になったら、ミルクフォーマーを回しながらAを少しずつBに加える。クリーム状になりしっかり乳化されてから火から下ろす。

④C精油を加えて、全体をよく混ぜて完成。
「コスメも料理と一緒で、作りたてがもっとも効果があってお肌にも良いです」と後藤さんは話します。作業も料理が好きな方であれば難なくできるレベルとのこと。精油のほのかな香りがするリキッドファンデーションは、天然素材がもつ美容効果ややさしい質感に癒されます。
安心・安全なオーガニックコスメ作りを、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
●取材協力
後藤由希子さん

アロマ・アーユルヴェーダセラピストとして勤務を経た後、独立してサロンを立ち上げる。日本オーガニックコスメ協会認定資格「オーガニックコスメ・アドバイザー」を取得し、サロン運営の傍ら、手作りコスメ講師としても活動中。東京・北千住の古民家を利用したナチュラルフードカフェ・サロン「つむぎ日和」を2026年4月11日にオープン。
とうきょう千住・ヰヱ / つむぎ日和
東京・足立区の北千住駅から徒歩7分にある古民家。「みんなで使う家」として2025年4月〜2026年3月に共同スペースとして運営。一般的なレンタルスペースとは異なり、ボランティア運営で地域コミュニティの場として運用された。2026年4月11日に「つむぎ日和」としてリニューアル。HPはこちら。
セラピスト2026年4月号 好評発売中!













