和精油を“アロマ”だけでなく、“調香”に使うには?

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セラピスト本誌の連載でもお馴染みの、長島司先生
現在本誌で、日本の植物による香りづくりである「和の調香」について、毎号異なる植物をテーマに解説いただき、レシピも紹介しています。

こちらは、連載1回目の記事の一部です。

長島先生は常々、「和精油を“アロマテラピー”としてだけでなく、“調香”に使うにはどうしたらいいか? セラピストがセラピーとして用いるだけでなく、香料会社のパフューマー(調香師)が“香料原料”として活用するためには何が必要か?」と問いかけています。

香料の原料は、天然香料と合成香料の大きく2つに分けられます。
パフューマーが香料として望んでいるのは、「ロープコスト/ハイパフォーマンス」あるいは「ハイコスト/ハイパフォーマンス」が期待できる原料です。
一方、天然香料である精油の中でも、「ハイコスト/ローパフォーマンス」の傾向が強い植物は、「香料の原料」として扱われません。

こうした現状を踏まえて、長島先生は、先日行われた『香り日本研究会第1回フォーラム』で、アロマテラピーの延長ではない、ファンシーフレグランスの調香に、日本の精油をどのように活用すべきかをテーマに基調講演を行い、その際に、「和精油」を「香料原料」として世界のパフューマーに広めていくためのポイントとして、以下の1つひとつについて、細かく解説されました。

1.原料調達・製造・品質管理等のインフラをしっかり確保すること
2.コストカットによる価格低減の対策を徹底すること
3.香りのパフォーマンスを上げるために、精油の二次加工をすること
4.芳香蒸留水から香気成分を回収し、香料素材として活用すること
5.日本独自の素材を使った、香料素材の研究開発をすること

パフューマーが望むのは、「ハイパフォーマンス」が期待できる原料であることから、「ハイコスト/ハイパフォーマンス」、つまり値段は高くても、香りのパフォーマンスを上げることが可能な「精油の二次的処理」の必要性についても、詳しく解説されました。
精油の二次的処理、つまり何かを足したり引いたりするということは、アロマテラピーの業界では馴染みが薄いことかもしれませんが、香料業界では普通のこととされており、香りのパフォーマンスの低い成分を除き、高い成分を濃縮していく方法を紹介されました。

「和精油」に携わる生産者や事業者、愛好者の皆さんが、新たな価値を創造するための“発見と気づき”を得られる機会として、今回のフォーラムは大変貴重であり、また今後の開催も期待されます。

編集部I

 

 

 

 

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