
医療やリハビリ、セラピーの場で、近年注目されている「ファシア(fascia)」。
「筋膜」とも訳されるファシアですが、最近では筋肉だけでなく、あらゆる臓器や器官をつなぐ膜という認識が広がり、その重要性に関心が集まっています。
いわゆる「筋膜」とはどのように異なるのか、また、なぜ注目されるようになったのでしょうか。その最新医療の研究と臨床の経験から、“心身をつなぐネットワーク”であるファシアの重要性が解明されつつあります。
ここでは、そうしたファシアを理解するためのポイントについてまとめました。
目次
Q1「ファシア(fascia)」とは?
ー全身をつなぐ“第3の伝達経路”ー
ファシアとは、全身を包み込み、つなぎ合わせている結合組織の“膜”のネットワークのことです。鶏肉を調理したときに見える白く薄い膜を思い浮かべるとイメージしやすいでしょう。あのように筋肉を包み込む筋筋膜も、ファシアの一部です。主成分はコラーゲンやエラスチンの線維で、しなやかさと強さをあわせ持っています。

ファシアの画像 (提供:B&Jクリニックお茶の水 洞口敬医師)
これまで身体は筋肉や骨といった「部品」の集まりのように考えられてきましたが、エコー技術の進歩によって、皮膚の表面から深部まで連続する「膜」の存在がはっきり見えるようになりました。ファシアは筋肉だけでなく、骨や内臓、血管、神経まで包み込み、身体全体を立体的に支えています。

さらに、神経系やホルモン系とは異なる「第3の伝達経路」としても注目されています。ファシアには感覚受容器が多数存在しており、張力が働くことで電気的・機械的な信号が身体の各部位に送られてると考えられます。
私たちの身体を「バラバラの集合」ではなく、「ひとつながりの存在」として働かせている土台、それがファシアなのです。

ファシアは全身を包むボディスーツのようなイメージ。
〈つづく〉













