現在発売中の「セラピスト6月号」では、「自然療法のルーツに迫る インド伝統医学」を特集しました。
インドで発祥した最古の医学といわれるアーユルヴェーダでは、医療の一環として、身体にあるアーマ(未消化物)を取り除く浄化療法「パンチャカルマ」が行われます。
パンチャカルマでは、ナスヤ(鼻オイル療法)やパスティ(浣腸療法)などの治療を行います。そのパンチャカルマの前段階として、消化法である「アーマパーチャナ」を行うことが必要とされています。アーマパーチャナを行うことでしっかりと身体をデトックスしてから、パンチャカルマには進むことができるのです。ここでは、アーマパーチャナの基本的な解説と本場で実践する際のメニューをご紹介します。
構成◎セラピスト編集部
アーマパーチャナとは?
日本では〝断食〟と訳されることも多い「アーマパーチャナ」ですが、〝食事をまったく摂らない〟のではなく、〝段階的に食事内容をデトックス仕様にする〟ための手法です。最終的にはアーマ(未消化物)を取り除くことが目的となるため、アーマパーチャナにかかる日数は、人によって(つまりアーマの蓄積度によって)大きく変わるそうで、数日〜数週間、数カ月とさまざまです。
「セラピスト6月号」では、アーユルヴェーダビューティーカレッジ学長の新倉亜希さんが、アーマパーチャナの段階について詳しく解説し、〝セルフケア〟として行う場合の具体的な実践法について紹介しています。この記事では、新倉さんのご協力のもと、アーユルヴェーダ医の監修で行われる際の「アーマパーチャナ」について、5日間で行う場合の食事メニュー例をご紹介します。

6月号で「アーマパーチャナ」を解説されている、新倉亜希さん
《アーマパーチャナ5日間のメニュー例》
1日目
【ディーパナ】消化力(アグニ)を点火する
(食事)・トリカトゥ(乾燥ショウガ・黒コショウ・ピッパリ)
またはショウガスライス+岩塩を食事に摂り入れる
・白湯を飲む
2日目
【パーチャナ】アーマ(未消化物)を燃やす
(食事)・アーマパチャナ用ハーブ(トリファラ、ジンジャー、クミンなど)を摂る
・食事をキチュリにする
・ハーブティーを飲む
3日目
【ラグフ・アハーラ】 軽食による消化負担の軽減
(食事)・食事をキチュリのみにする
・夜は断食、または、スープか温かい水分を摂る
4日目
【スネハパーナ】 オイルで内部をやさしく潤す
(食事)・少量のギーを朝に摂取する。
5日目
【アヌローマナ】 軽い排泄の促進(便通調整)
(食事)・トリファラを摂取する
もしくは温かいミルク+ギー
・自然な排泄を促すフルーツなどを摂る
雑誌では、「アーマパーチャナ」の段階について詳しく解説するとともに、セルフケアとして行う場合のよりライトで実践的な食事例と、キチュリのレシピを掲載しています。
また、新倉亜希さんが運営する「アーユルウェルネスリゾートOKINAWA 」では、併設するハーブ園で直接収穫した〝和のハーブ〟を使用し、クライアントそれぞれの体質に合う食事を提供しています。
ぜひ、インド伝統の食事療法を試してみてください!

アーユルウェルネスリゾートOKINAWAの食事例