
現在発売中の「セラピスト12月号」特集企画、「セラピストのためのヨーガ療法入門」では、メンタルケアの実践者で、ヨーガ療法士であり研究者でもある井上智子さんを取材しました。
井上さんはヨーガ療法と自律神経との関係を調査しており、ヨーガがどのように自律神経に影響しているのか、その最新研究とともに解説していただきました。
「よく巷で『ヨーガをすると副交感神経があがる』という風に言われますが、それは少し違います」と井上さんはまず指摘します。
そもそも、交感神経が優位になっている人には副交感神経をあげる必要がありますが、はじめから副交感神経が優位になっている人は交感神経をあげてバランスをとる必要があります。
メンタルケアが必要な方は、無気力で活動ができない、副交感神経が優位になり過ぎている方も多く見られるそうです。

「交感神経・副交感神経は、どちらが優位であればよいというものではなく、緊張しなければいけない時は緊張し、リラックスする時にリラックスするというように、“必要な時に切り替えがうまくできる”ことが大切なのです。そして、ヨーガは、この自律神経を適切に調整してくれることが、研究を通じて明らかになりました」
被験者の方々に同じヨーガ療法・プログラムを行ったところ、元々交感神経の活動が高い人は数値が下がり、元々交感神経の活動が低い人は数値が上がるという自律神経の最適化がみられたそうです(shinba T, Inoue T, Int J Yoga. 2020)。
「同じプログラムを行っても、その人にとって適切な状態に戻る“ホメオスタシス”のような効果をヨーガが持つことがわかりました」
副交感神経が優位傾向だった方は、まるで“覚醒”したかのように、より活動がしやすくなる様子が窺えたそうです。
このように自律神経を適切に切り替えすることができれば、心身の健康に大きく寄与することになります。ヨーガのこうした本質的な効果が、研究によって多くの人に理解されることで、単なるブームで終わらずに、さらなる発展につながることが期待できるでしょう。
編集部M
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