20代からずっと通い続けている美容師さん(お店を移られても独立されてもついてまわって25年あまり)から、美容師さんの受ける「接客講習」の変遷を聞きました。ご参考になればと筆を執ります。
その方はいま50代後半……60歳間近くらいでしょうか。
最初に出会った当時、彼は「多摩地区のオシャレ系学生はみんな行く」というほど人気だった有名美容室Zグループの某店チーフでした。その後、2店舗の店長を務めたのち、独立されています。
「東京に進学するけん」「上京するばい」故郷に錦を飾ろうぞと勇み臨んだ花の都・大東京。ふたを開けば学校も住まいも多摩地区なわけですが、九州の友人らには言わねばわかるまい。ああ、オシャレがしたい。まずはヘアスタイルからか。吉祥寺を「ジョージ」、国分寺を「ブンジ」と称しながら訪れた美容室。以来、25年もお世話になるとは。
さてはて、そんな美容師さんの接客たるや、一度も不快な思いをしたことなどない、さすがのパーフェクトさなのですが、お話の流れでうかがった、美容師さんたちの受講する「接客講習」。時代が象徴されていて、接客において求められるものも、時が流れると変わっていくのだなと興味深く勉強になりました。
まず彼が美容学生、美容学校を卒業したての若い頃(おそらく30〜35年ほど前?)の接客講習の講師といえば、「銀行員」だったそうです。
銀行員のマナーの特徴は、鷹揚で、(いまにして思えば、と前置きしながら)わざとらしさ、大げさなかんじがあったといいます。
お辞儀ひとつをとっても、頭を下げてから、胸の中で「1、2、3」と3秒数えて、頭を上げる。歩き方で曲がる時も、きっちり90度でビシッと曲がるような。
当時はそれが「正解」とされていたのでしょうし、いまも時と場合によっては求められるマナーなのだと思いますが、たしかに大げさな所作と感じられたり、ときには慇懃無礼と捉えられることもあるかもしれませんね。
次に銀行員の時代から、当時の言葉でいうところの「スッチー」、つまり「CA(キャビン・アテンダント。客室乗務員)」が、マナー講師となる時代が訪れたそうです。
銀行員よりは、自然な所作。ドリンクを注ぐ時なども。ただCAのドリンクを注ぐ所作を大きくすると、夜の世界になってしまう、と。
なお筆者は、上皇上皇后両陛下や故マーガレット・サッチャー元首相の接遇をされていた、元CAの方を取材したことがあります。特別な決まりごとや作法があるのはもちろんですが、非常に繊細な気遣いが求められるものだと感じました。
ただそこを気遣わせない、両陛下や元首相のお心に畏敬の念を覚えたものです。

そして、その次にきたのが「ディズニー」! 自然体で笑顔。さりげない気配り。
ディズニーキャストは、学生時代に経験しておくべきアルバイト、就職に有利などと言われるのもうなずけますね。
ちなみに、その美容師さんが、あるレストランでご夫婦でお食事をされたときのこと。ウェイトレスの方からすごく素敵な接客をしていただき、感動のあまり「ディズニーランドにきたみたいな気分になりました」と伝えたところ、「私、ディズニーランドで働いているんです!」と。ディズニーキャストをされている方だったのだそうです。
その美容師さんが、ご自身が接客業を長くされているがゆえに、接客への感度が高く「ディズニーランドにきた気分」と感じ取られたのでしょう。すべてが自然でさりげなく、それでありながらわくわく感があって気持ちのよい接客だったそうです。
そんなふうに感じとるのも「さすが接客のプロ」ですごいですし、レストランでそう感じさせる接客もまた「さすが接客のプロ」ですね!
いまや、AIや配膳ロボットの闊歩する現代。次の時代にはどんな接客マナーが〝くる〟のでしょうか?
編集部O
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