ICRリフレクソロジー世界カンファレンス開催!

投稿日:2017年11月22日

10月20日~22日に行われた、「ICR(国際リフレクソロジー協議会)世界カンファレンス」の模様を、リフレクソロジスト・荻野麻里さんがレポートします。
文・荻野麻里(リフレクソロジスト)
2年ごとに行われるICR(国際リフレクソロジー協議会)主催の世界カンファレンスが10月20日~22日に台湾・台東にて開催されました。27年間のカンファレンス史上初めてのアジア、しかも台湾リフレクソロジーの代表格「若石式」の本拠地にて開催ということで、18か国から120名の参加者が集結しました。
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日本からは14名が参加
前日にはジョセフ・オイグスター神父(台湾名呉若石神父)の教会兼施術所を訪問見学し、神父とFJM若石神父式施術者たちと和やかに語らいました。
スイス人のジョセフ神父は46年前にキリスト教布教のために台東に渡ります。自身のリウマチによる膝関節痛を治すために、「リフレクソロジーの母」と呼ばれるユーニス・インガムに教わったスイス人ヘディ・マザフレの著書からリフレクソロジーを独学します。症状が改善したため、教会にやってくる信者たちにも施術を行い、教えるようになり、その評判が台湾の足揉みブームへと繋がっていきます。いまや世界40か国以上に若石神父式の学校や施術所があるそうです。台湾リフレクソロジーの元祖が実はアメリカのユーニス・インガムに端を発しているとは興味深い流れです。
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現在77歳のジョゼフ(若石)神父と
台湾の原住民族にはキリスト教信者が多く、台東のあちらこちらに教会の十字架を見つけることができます。ジョセフ神父は宣教師としてはるばるこの地にやってきて、神の教えとリフレクソロジーによって人々を長年支え続けているのだな、とあらためて実感し、感銘を受けました。
ジョセフ神父は2003年に当時のローマ法王ヨハネパウロ2世の病床にて初めてリフレクソロジー施術を許可され、リフレクソロジー界では大ニュースとなりました。このことをのちに神父は「3人の家来たちの足を揉まされてようやく信用してもらい、法王の寝室に通された」と冗談交じりに語っていました。
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若石神父教会の壁画
3日間のカンファレンスでは10名のスピーカーが登壇しました。中でも興味深かったのは、
「女性のためのリフレクソロジー」を発表したイギリスのハガー・ベイシス女史です。リフレクソロジーは女性のライフサイクルのどの段階においても、停滞を打破するためのエネルギーを促し、真の自分を見つけるための手助けをしてくれると。
特に「サードエージ」(50歳以上の子育て、就労を終えた世代)の女性にとって、身体的、精神的そしてスピリチュアル的なレベルにおける気づきを与えてくれる、としました。更年期のホルモンバランスの崩れによるあらゆる不調は「真の自分」に近づくための浄化段階なのだそうです。これには多くの女性が勇気づけられました。
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カンファレンスの様子

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ハガー女史によるデモンストレーション
障がい児のためのリフレクソロジーに関する報告も印象的でした。日本でも開校しているデンマーク人のロネ・ソレンセン女史はフェイシャルリフレクソロジーで有名ですが、さらに発展させた頭蓋骨や顔面、手足の神経ポイントを刺激するテンプラーナメソッドを感覚障害の改善に役立てています。
イギリス人のロレイン・シニア女史は自閉症やあらゆる発達障がいのサポートにリフレクソロジーを取り入れ、成果を上げています。子どもたちが施術を楽しんでいる映像を見せながらの発表でした。リフレクソロジーにより、オキシトシンの分泌を増加させ少しでも良好な精神状態を保てるよう日々実践と研究を重ねています。
日本からは、1980年代に台湾にて若石健康法を学び、東京で独自の施術法で足にアプローチしている折田充氏が天然石のメノウのツールを使用してのデモンストレーションを行いました。メノウの波動が短時間で血行を改善し筋肉を柔らかくするため、反射区がほぐれやすくなるのだそうです。
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折田先生のメノウのツール
今回は大勢の台湾リフレクソロジストたちと交流することができたことが貴重な収穫となりました。日本人にとても友好的で明るい彼らとジェスチャーや筆談を交えての足談義は楽しいものでしたし、欧米のリフレクソロジストたちは台湾リフレクソロジーの圧の力強さに驚きを見せながらも、文化の違いを積極的に満喫していたようです。
東洋と西洋の施術アプローチは違っても目指すところは皆同じ、リフレクソロジーで健康になろう!というテーマを肌で感じることができたカンファレンスでした。
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若石神父式のリフレクソロジーを体験する参加者たち

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若石棒を使っての頭部反射区施術
カンファレンス後は、カナダ人リフレクソロジスト ジーナ・スチュワートが世界各地で展開しているRVP(リフレクソロジー・ボランティア・プログラム)に参加しました。男性のあらゆる暴力から女性を保護しサポートを行っているNGO団体The Garden of Hope Foundationの台東事務局にて、フットリフレクソロジー、ハンドリフレクソロジーワークショップ、そしてヨガクラスを2日間提供しました。
延べ90名以上の利用者やスタッフが訪れ、日頃の緊張やストレスを癒してくれたようです。言葉は通じなくても触れることで心を通わせることができる。セラピーの原点に立ち返ることができた貴重な日々でした。
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ボランティア先にて歓迎を受ける
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リフレクソロジー希望者は大入り満員!
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ハンドリフレクソロジーのワークショップ

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