セラピストの、介護現場で働く「きっかけ」と「やりがい」とは?

投稿日:2015年1月1日 更新日:

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セラピスト2月号では、介護現場におけるホリスティック・セラピーの可能性、介護の基礎知識やケア現場へのセラピー導入法、実際に介護に携わっている方々の実例など、すでに介護現場で活躍するセラピストたちを取材し紹介しています。
ここでは、セラピストや介護職員・スタッフ、ボランティアなど、介護に携わる方々にアンケートを実施し、その声をお届けします。まずは、皆さんが介護に携わることになった「きっかけ」を、続いて実際に働くことで得られた「やりがい」についてまとめました。

構成◎本誌編集部

介護に携わることになった「きっかけ」で多かった回答は……
●近親者の介護を通して、介護現場で働くことに興味を持った
●セラピストとしての技術・知識を活用できる場が欲しかった
●セラピーによって介護業界をより良くしたいと思ったから


具体的にはこんな「きっかけ」が挙げられました。

オイルマッサージを習ったものの実践の場がなく、何もせず何年も経過。せっかく習ったことをどんどん忘れてしまう不安の中で、ボランティアとして老人ホームでアロママッサージが出来るNPOがあると知りました。(ボランティア歴 2年)

 

アロママッサージに興味があり、講座を受講。アロマセラピストの資格を取り、今後の活動を考えた時、健康な方への施術ももちろんやりがいがありますが、介護が必要な方や体調を崩されている方への施術はまた別の意味があるのではと考えました。(セラピスト歴 1年)

 

介護アロマを勉強したスクールに高齢者施設でのボランティア及びアロマケアの仕事を紹介していただき、自分の持っている知識や技術で高齢者の方々に幸せなひとときを過ごしていただけたらと思いました。(セラピスト歴 3カ月)

 

入院中「家に帰りたい」と何度も口にした祖母に対して何もケア出来ず、大変悔しい思いをしました。一方、3カ月間入院生活に付き添った家族は心身共に疲れ切っていました。そこで、医療・福祉の分野で被介護者・介護者の双方に寄り添える仕事がしたいと考え、アロマセラピストの資格とホームヘルパー2級を取得しました。(セラピスト歴 3年)

 

当初は家族のためでしたが、アロマは知れば知るほど奥が深く、いつのまにかセラピストに。恩師が介護現場でアロマセラピストとしてアロマの普及に努めていることを知り、私もその一員として人を癒す仕事がしたいと思い、研修を重ねて、現在に至っています。(セラピスト歴 2年)

 

市の介護相談員(ボランティア)をしています。仲間からの紹介で利用者様のご家族から「オシャレが好きだった母にフェイシャルエステをして欲しい」と言われ、病院施設へ伺うようになりました。(セラピスト歴 12年)

 

母がアルツハイマー型認知症と診断され、これからの介護に備えて勉強を開始。研修を終えて、訪問介護が自分に合っていると感じ、この仕事を始めました。(介護スタッフ歴 2年)

 

10年前自宅で末期がんの義父を介護し、ケアマネージャーさん、ヘルパーさんに大変お世話になりました。在宅療養での看護に魅力を感じ、自らステーションを開設しました。(訪問看護師歴 2年6カ月)

セラピーを介護現場に役立てたいと思い、ボランティア情報のある協会へ行きました。デイサービスでリフレクソロジーを希望していたのを見つけ、電話で相談して活動を始めました。(セラピスト歴 12年)

 

自立をするため資格を取って仕事を始めたら、自分に合っていました。現場で10年経験を積み、介護教員になりました。(介護施設職員歴 6年6カ月、介護スタッフ歴 3年、介護教員11年)

 

実際に働くことで得られた「やりがい」で多かった回答は……
●ご利用者様の笑顔や「ありがとう」という言葉が励みになる
●施術によってご利用者様の症状を改善できた時や、周りの方々からそのような報告を受けた時にとても嬉しくなる
●たとえ言葉を交わさなくても、ご利用者様の反応を通して、心と心が通じ合えたと感じた瞬間


具体的にはこんな「やりがい」が挙げられました。

皆さんいつも楽しみに待っていてくださり、表情が乏しく反応が薄い方でも、トリートメント後には会話も増えて豊かで柔らかな表情を見せてくれます。また、施術中に近くを通ったスタッフさんも、香りを感じて表情が和らぐのを感じます。(セラピスト歴 10年)

 

リハビリの専門家であるがゆえ「回復」を目標とするプログラム立案と実施を求められますが、介護現場ではご利用者様の重度化が進み「回復」を目標とした支援だけでは不十分なことが多いと感じています。そんな中、アロマセラピストとしての知識があることで、香りやタッチを用いてご利用者様に寄り添うことができるのをとてもありがたいと感じています。(介護施設職員歴 17年、セラピスト歴 1年、作業療法士歴 21年)

 

ほとんどベッドの上で過ごされているご利用者様の腕や首の筋張が和らいだり、いつも眼を閉じているご利用者様が眼を開いてくださった時。また、個別ケアの時間が確保でき、普段聞けないような話が聞けた時などにやりがいを感じます。(介護スタッフ歴 12年)

 

最初「匂いも分からない」「オイルがベタベタして嫌だわ」と拒否反応を示していた方が、回を重ねるうちに表情が緩んで笑顔を見せてくださったり、会話が弾むようになったりするなど、受け入れてくださったことを感じられた時です。(セラピスト歴 2年)

 

人生の先輩であるご利用者様のお話から別の人生を知ることにより、私の視野も広がっています。また、施術を通して「ここへ来て良かった」と感じていただき、日常生活でも笑顔が増えた時に嬉しく思います。(セラピスト歴 7年)

 

「こういうお仕事をしてくださるあなた方こそ、健康に気をつけて元気でいてくださいね」と逆に励まされた時には心が温かくなります。(セラピスト歴 3年)

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介護の一番の魅力は、思いやりのある手で触れることで心が開かれ、人と人が結びつき、深く触れ合えること。そこに喜びややりがいを感じています。(看護師歴 21年、セラピスト歴 14年)

 

喜んでいただけることが自分自身の喜びに繋がっています。90代のおばあちゃんも「丈夫になった、健康になった」といつも話してくれます。心身共に、少しでも健康になれるお手伝いが出来れば嬉しいです。(介護スタッフ歴 1年、セラピスト歴 10年)

 

認知症のデイサービスで入浴も拒否して寝てばかりの方が、タッチケアが快適だと笑顔を見せてくれたり、施術中のコミュニケーションで喜んでいただけた時。看取りの方に身体の変化が現れた時もとても嬉しく、効果があったことにやりがいを感じます。(セラピスト歴 12年)

 

1日の終わりに夕食を終え、ご利用者様を居室に送っていった際に「今日も一日良い日だったわ」など、笑顔で居室に帰られた時には一日の疲れがとれるように思います。(介護施設職員歴 10年)

 


それぞれの回答から分かるように、介護に携わるようになった「きっかけ」も、そこで得られる「やりがい」も、「思いやりの心」が一番のポイントになっているよう。そして、業務的ではなくホスピタリティ溢れる介護こそが、高齢者はもちろん、介護する側にもゆとりを与えているように感じられました。
今後さらにセラピストの活躍の場が増えれば、これからの介護はより明るいものになるでしょう。

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