作業療法士
■何ができる資格?
作業療法士(Occupational Therapist/OT)は、身体や心に障がいのある人が、その人らしく生活できるよう、「作業活動(食事・家事・仕事・趣味など)」を通して心身の機能回復や生活支援を行う国家資格。身体機能だけでなく、精神面・社会的な自立の支援も担う。
●主な業務内容
- 食事、着替え、入浴、家事などの日常生活動作(ADL・IADL)訓練
- 手指の巧緻動作訓練、上肢機能訓練
- 精神疾患や発達障害への作業療法(創作・対人スキル訓練など)
- 義手・自助具・福祉用具の選定と使い方の指導
- 認知症や高次脳機能障害への認知リハビリ
- 職場復帰・就労支援、社会参加プログラムの支援
●活躍の場
- 病院(身体障害・精神科・回復期・緩和ケアなど)
- リハビリテーションセンター
- 老人保健施設・デイケア・グループホーム
- 訪問リハビリ・訪問看護ステーション
- 発達支援センター・特別支援学校・保育園
- 精神保健福祉施設
- 地域包括支援センター
- 就労移行支援事業所 など
■資格取得までのSTEP
1. 養成校に入学(厚生労働省指定)
4年制大学/3〜4年制専門学校/短大などで指定カリキュラムを履修
高校卒業(または同等資格)で受験可能
2. 必要な単位と臨床実習を修了
解剖学、生理学、作業療法評価学、精神・身体障害論、日常生活活動学など
臨床実習(身体・精神・小児など)も必須(合計800時間以上)
3. 国家試験を受験
毎年2月に実施(厚生労働省)
筆記試験形式で、合格率は約80〜90%程度
合格後、厚生労働大臣に登録
■資格取得後には?
●資格更新や免許の有効期限
日本では作業療法士資格は原則有効期限なし・更新不要。
近年は「生涯学習制度」や「認定・専門作業療法士制度」が推進されている。
●就職
身体障害分野・精神科・発達支援・福祉施設など多様な分野へ就職可能。医療職の中でも対人援助的な側面が強い。
●スキルアップ・専門性の向上
日本作業療法士協会などが主催する研修会、学会、認定制度の活用。
「認定作業療法士」「専門作業療法士」などの取得で特定分野の高度専門職へ。
●生涯学習
資格に更新義務はないが、知識・技術の向上を目的に研鑽が重視される。
協会の「生涯教育制度」に沿って段階的に学習を進める人が多い。
●将来的なキャリアの例
- 管理職(リハビリ部門長など)
- 地域福祉・在宅リハビリのスペシャリスト
- 精神科作業療法の専門職
- 発達支援センターや療育の指導員
- 自費リハビリサービス・起業
- 大学院進学・研究者・教育者
項目 | 内容 |
資格の種類 | 国家資格(厚生労働省) |
資格の種類 | 身体的・精神的・発達的障がいを抱える全年齢層 |
対象者 | 作業活動を通じた生活支援・社会復帰支援 |
主な業務 | 3〜4年(大学または専門学校) |
国家試験 | 年1回、合格率約80〜90% |
取得後の進路 | 医療・福祉・発達支援・精神科・教育など多岐にわたる |
※内容は変更される場合があります。詳細は随時、各団体や官公庁の公式サイトにてご確認ください。
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