言語聴覚士
■何ができる資格?
言語聴覚士(Speech-Language-Hearing Therapist/ST)は、ことば・聞こえ・飲み込みなどの機能に障がいを持つ人に対し、評価・訓練・支援を行う国家資格。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、「話す・聞く・食べる」を支える専門職として医療・教育・福祉の現場で活躍する。
●主な業務内容
・失語症や構音障害に対する言語訓練
・音声障害、吃音などの発話訓練
・嚥下障害に対する嚥下訓練・食事指導
・聴覚障害者への聴覚トレーニング、補聴器・人工内耳の指導
・発達障害児へのことばの発達支援
・高次脳機能障害への認知機能訓練
●活躍の場
・病院(急性期・回復期・慢性期)
・リハビリテーションセンター
・耳鼻咽喉科クリニック
・老人保健施設・訪問リハビリ
・特別支援学校・発達支援センター
・保育園・療育施設
・就労移行支援事業所
・研究・教育機関 など
■資格取得へのSTEP
1. 養成校に入学(厚生労働省指定)
4年制大学/3年制短大・専門学校で指定カリキュラムを履修
高校卒業(または同等資格)で受験可能
2. 必要な単位と臨床実習を修了
言語学、音声学、聴覚障害学、発声発語訓練学、嚥下障害学、高次脳機能障害学など
医療機関・教育施設での臨床実習も必須(おおむね450時間以上)
3. 国家試験を受験
毎年2月に実施(厚生労働省)
筆記試験形式で、合格率は約75〜85%程度
合格後、厚生労働大臣に登録
■資格取得後には?
●資格更新や免許の有効期限
日本では言語聴覚士資格は原則有効期限なし・更新不要。
近年は「生涯学習制度」や「専門性の高い認定制度」の活用が推進されている。
●就職
医療・介護・教育・福祉・小児発達・精神科など、多様な分野へ。
特に高齢化に伴い、嚥下や失語症リハビリの需要が高まっている。
●スキルアップ・専門性の向上
日本言語聴覚士協会主催の研修・講習・学会に参加し、最新知識を習得。
認定言語聴覚士などの上位資格も準備中。
●生涯学習
法的な更新義務はないが、専門性を高めるために自己研鑽が求められる。
臨床・研究・教育の分野で活躍するためのスキルアップが推奨されている。
●将来的なキャリアの例
・リハビリテーションチームの責任者
・摂食嚥下リハ専門職(医師や歯科医と連携)
・発達支援や療育の指導者
・大学院進学、研究者・教育者
・地域支援・自費リハビリ事業の起業
項目 | 内容 |
資格の種類 | 国家資格(厚生労働省) |
対象者 | ことば・聞こえ・飲み込みに困難を抱える全年齢層 |
主な業務 | 言語・聴覚・嚥下・認知機能の評価と訓練 |
必要な学習年数 | 3〜4年(大学または専門学校) |
国家試験 | 年1回、合格率約75〜85% |
取得後の進路 | 医療・教育・福祉・発達支援など多岐にわたる |
※内容は変更される場合があります。詳細は随時、各団体や官公庁の公式サイトにてご確認ください。
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