【特別連載】「お灸と扶正祛邪(ふせいきょじゃ)」でウィルスから身を守る 北川毅(鍼灸師、YOJO SPAオーナー)

投稿日:2020年3月9日

北川毅氏免疫力アップ

新型コロナウイルスとインフルエンザの感染が、世界各地に拡大していますが、一般的な対策としては、消毒、洗浄、マスクの着用、外出の自粛などを徹底して、感染を未然に防ぐしかありません。現状では現代の先端医療も、新型ウイルスに対してはなす術を持たないということです。

一方、東洋医学には「扶正祛邪」(ふせいきょじゃ)という考え方があります。扶正祛邪とは、「正気」、すなわち、自分の健康な生命力、生命エネルギーを養って強くすることで、「邪気」、すなわち、病気の原因となる邪悪なエネルギーを追い払うという意味です。

現代医学的に説明すれば、「抵抗力や免疫力を高めることで、ウイルスによる感染から身を守る」ということであり、経験の蓄積により、東洋医学には、そのための豊富な知識と方法があります。

例えば、同じクルーズ船、同じ屋形船に居合わせても、コロナウイルスに感染してしまった方と感染しなかった方がおられます。東洋医学では、この2者を分ける要因の一つが、正気が充実しているか不十分であったかの違いであると考えます。

一方、西洋の現代医学には、扶正祛邪という概念はおおよそ存在しないことからも、今のような状況下では、東洋医学の知識と手法が、感染から身を守るための助けになると言えるでしょう。

東洋医学の主要な治療法のひとつに「鍼灸」があり、このうちの灸には正気を高める効果に優れているとされてきたことから、日本では、昔から家庭の養生法として盛んに行われてきました。現代では、「おばあちゃんがやる古臭いもの」というイメージがありますが、現在のような状況においては、積極的に活用していくべきものと考えられます。

お灸の利点は、何と言っても、家庭で手軽に行うことができて費用も安価であるということです。また、日本では、お灸は医療器具ではなく、雑貨扱いであるため、ドラッグストアなどで容易に入手できます。お灸は、他人に対して行う場合には、きゅう師免許という国家資格が必要となりますが、セルフケアとして行うことに限っては資格も不要で、手足やお腹などのツボであれば、自分で手軽にお灸をすることができます。

コロナに負けない北川毅セラピスト

市販のお灸を利用して、上図の足にある「足三里」「三陰交」「太渓」、お腹にある「中脘」「気海」「関元」に、毎日か一日置きにお灸をしてみてください。毎日行う場合には、3つくらいのツボを選んで順繰りに行うと良いでしょう。

文◎北川 毅(きたがわたけし)
YOJO SPA(養生スパ)オーナー。鍼灸師。鈴鹿医療科学大学鍼灸学部非常勤講師(美容鍼灸学)。日本中医美容研究会会長。一般社団法人健康美容鍼灸協会。東洋医学、鍼灸、美容、スパに関する教育、執筆、翻訳、研究まで、世界各地で幅広い活動を行っている。

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