精神保健福祉士
■何ができる資格?
精神保健福祉士(PSW=Psychiatric Social Worker)は、精神疾患を抱える人の社会復帰や生活支援を行う国家資格です。医療・福祉・行政の現場で、本人や家族の相談に応じ、社会資源の活用や就労支援などを通じて、自立した生活ができるよう支援します。精神医療と福祉をつなぐ「心のソーシャルワーカー」として重要な役割を担います。
●主な業務内容
・精神障害者の相談支援、生活指導
・医療機関での退院支援・地域移行支援
・福祉サービスの紹介や手続きの援助
・就労・就学・住宅など生活面での支援
・家族への相談・教育支援
・地域社会との連携、偏見解消に向けた啓発活動
●活躍の場
・精神科病院・クリニック
・保健所・地域包括支援センター
・障害者支援施設・グループホーム
・就労支援機関(就労移行支援事業所など)
・精神保健福祉センター
・市町村の福祉事務所
・教育・司法・矯正施設 など
資格取得へのSTEP
指定された養成課程を修了
・福祉系大学・短大・専門学校で「精神保健福祉士養成課程」を履修
・福祉・心理・看護など他分野からの実務経験ルートもあり
国家試験を受験
・毎年1月に実施(厚生労働省管轄)
・精神疾患、ソーシャルワーク、福祉関連法規などが出題
合格後、「精神保健福祉士名簿」に登録され、資格取得
資格取得後には?
●資格更新・義務
精神保健福祉士は一度取得すれば更新不要。
ただし、現場では制度改正や支援技術の進歩に対応するため、継続的な学び(研修・学会参加など)が推奨されている。
●就職先
医療・福祉・行政が中心。特に精神科病院や地域移行支援施設ではニーズが高い。障害者支援や就労支援など、社会復帰の支援に強い関心がある人に適した職域。
●セラピストがこの資格を取得する意義
セラピストにとって精神保健福祉士の資格は、クライアントの「生活」にまで踏み込んだ継続支援を可能にする専門性の証となります。セラピーだけでは届かない社会的・制度的な支援を担うことで、より包括的な支援が実現。心身の癒しに加えて、生活支援・社会復帰支援を視野に入れた活動をしたい方にとって、大きな力となる国家資格です。
項目 | 内容 |
資格の種類 | 国家資格(厚生労働省) |
対象者 | 精神疾患や心の不調を抱える人、およびその家族 |
主な業務 | 社会復帰支援、相談援助、福祉サービス利用支援 |
必要な学習年数 | 養成校で1〜4年(学歴・職歴により異なる) |
国家試験 | 年1回(1月)、合格率約60〜70%程度 |
資格取得後の進路 | 医療・福祉・行政・教育・矯正分野など幅広いフィールドで活躍可能 |
※内容は変更される場合があります。詳細は随時、各団体や官公庁の公式サイトにてご確認ください。
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