理学療法士

■何ができる資格?

理学療法士(Physical Therapist/PT)は、病気・ケガ・加齢・障がいなどにより、身体に運動機能の低下や障害を抱える人に対し、身体機能の回復・維持・予防を目的としたリハビリテーションを提供できる国家資格。

●主な業務内容

・歩行訓練、起き上がりや立ち上がりの練習などの日常生活動作(ADL)の回復支援

・関節可動域訓練、筋力強化訓練、姿勢矯正

・電気刺激、温熱、牽引、超音波などの物理療法

・スポーツ障害・術後の回復期における身体機能の回復支援

・介護予防や地域包括ケアにおける体力維持プログラムの提案

 

●活躍の場

・病院(急性期・回復期・慢性期)

・クリニック

・老人保健施設・デイケア

・訪問リハビリ・訪問看護

・特別支援学校、保育園

・スポーツチーム・ジム

・研究・教育機関 など

 

■資格取得へのSTEP

1. 養成校に入学(厚生労働省指定)

4年制大学/3〜4年制専門学校/短大などで指定カリキュラムを履修

高校卒業(または同等資格)で受験可能

2. 必要な単位と臨床実習を修了

解剖学、生理学、運動学、臨床評価学、疾患別理学療法学など

医療機関等での臨床実習も必須(合計800時間以上)

3. 国家試験を受験

毎年2月に実施(厚生労働省)

筆記試験形式で、合格率は85〜90%程度

合格後、厚生労働大臣に登録

■資格取得後には?

●資格更新や免許の有効期限

日本では理学療法士資格は一度取得すると原則有効期限はなく、更新不要。

ただし、近年は「生涯学習」や「認定・専門理学療法士制度」の推奨が進んでいる。

●就職

病院や施設に就職するケースが一般的。一部は大学院に進学し、研究・教育職へ進むこともある。

●スキルアップ・専門性の向上

日本理学療法士協会が主催する研修や学会への参加。

「認定理学療法士」「専門理学療法士」などの上位資格も取得可能。

●生涯学習

資格に更新義務はないが、医療技術や知識は日進月歩であり、多くの理学療法士が生涯を通じて研鑽を続けている。

●将来的なキャリアの例

・管理職(リハビリ部門の責任者など)

・独立開業(現在は理学療法士単独では保険診療不可だが、自費診療は可能)

・海外での活動(国や制度による認定が必要)

スポーツトレーナー・企業での健康経営支援など

項目 内容
資格の種類 国家資格(厚生労働省)
対象者 身体機能に問題を抱える全世代
主な業務 機能回復のための運動療法・物理療法
必要な学習年数 3〜4年(大学または専門学校)
国家試験 年1回、合格率約85〜90%
取得後の進路 医療・福祉・スポーツ・教育分野など多岐にわたる

 

※内容は変更される場合があります。詳細は随時、各団体や官公庁の公式サイトにてご確認ください。

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