はり師

■何ができる資格?

鍼師は、東洋医学に基づき鍼(はり)を使って身体に刺激を与え、自然治癒力を高める施術を行う国家資格。経絡やツボにアプローチし、痛み・しびれ・こり・自律神経の不調などに対応。医療機関と異なり、手術や薬を使わない代替医療・伝統医療の担い手として注目されている。

●主な業務内容

・鍼(使い捨ての細い針)による経穴(ツボ)刺激
・肩こり、腰痛、神経痛、関節痛などの慢性疼痛の緩和
・自律神経失調症、不眠、頭痛、眼精疲労、胃腸障害の調整
・スポーツ障害や筋疲労へのアプローチ
・不妊症、更年期障害、生理不順などの婦人科的サポート
・美容鍼灸(顔への鍼刺激による肌トーンや血行の改善)
※施術は、原則として自費(保険適用には医師の同意書が必要)

●活躍の場

・鍼灸院・治療院
・整骨院・接骨院と併設
・美容鍼灸サロン
・医療機関(医師の指示のもと勤務)
・スポーツトレーナーや帯同スタッフ
・介護施設・訪問鍼灸
・企業の健康管理室
・教育・研究機関 など

■資格取得へのSTEP

1. 養成校に入学(厚生労働省指定)

3年制の専門学校/大学・短大で、東洋医学・経絡・臨床技術などを学ぶ
高校卒業(または同等資格)で受験可能

2. 必要な単位と臨床実習を修了

解剖学・生理学・病理学・経絡経穴学・はり理論・臨床実習(施術・接遇など)

3. 国家試験を受験

毎年2月に実施(厚生労働省)
筆記試験形式で、合格率は約70〜90%程度
合格後、厚生労働大臣に登録(「はり師」単独もしくは「きゅう師」と同時取得が多い)

 

■資格取得後には?

●資格更新や免許の有効期限

鍼師の免許は一度取得すれば原則有効期限なし・更新不要。
ただし、質の高い施術提供のために、学会・講習・生涯学習の受講が推奨されている。

●就職

自ら開業(個人院・サロン)が多く、柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師と併用するケースも。美容・スポーツ・高齢者分野への広がりもある。

●スキルアップ・専門性の向上

日本鍼灸師会や各流派団体による講座・学術大会が多数開催。
中医学、臨床応用、美容鍼灸、スポーツ鍼灸、訪問鍼灸などの分野でスキルを磨ける。

●生涯学習

鍼灸医学は日々進化しており、臨床効果を高めるには継続的な学びが不可欠。医師・理学療法士との連携知識も求められる。

●将来的なキャリアの例

・鍼灸院・美容鍼灸サロンの開業
・プロスポーツチームでのケア担当
・訪問鍼灸サービスの立ち上げ
・企業・自治体と連携した健康支援プロジェクト
・海外での伝統医療実践(国によって認定が必要)
・教育・研究者として後進の育成

 

項目 内容
資格の種類 国家資格(厚生労働省)
対象者 肩こり、腰痛、自律神経の不調などを抱える幅広い層
主な業務 鍼を使った経穴刺激による自然治癒力の促進
必要な学習年数 3年(専門学校・短大・大学)
国家試験 年1回、合格率約70〜90%
取得後の進路 鍼灸院・美容・スポーツ・医療・介護・教育など多岐にわたる

※内容は変更される場合があります。詳細は随時、各団体や官公庁の公式サイトにてご確認ください。

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