PR「第28回日本アロマセラピー学会学術総会」開催、「精油の安全性と有効性」をテーマにティスランド氏の特別講演も

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一般社団法人日本アロマセラピー学会(JSA)は、11月23日・24日に「第28回日本アロマセラピー学会学術総会」をオンラインにて開催した。本大会のテーマは「精油の安全性と有効性~最新のエビデンスを精油活用の新たな指針に~」で、“正しい精油の“正しい使い方”について、それぞれの研究や取り組みを共有し、考察・議論し合う場となった。

はじめに、今年消費者庁が発表した「精油の原液塗布」に関する「消費者安全調査委員会からの一葉 第16号」を共有した。これは精油の使い方に対する注意喚起で、経口摂取(例:食事に精油を混ぜる)や水溶(例:フットバスに直接精油を入れる)などの誤った使用が紹介された。また、妊産婦など使用対象者の制限など禁忌についても一通りの確認がなされた。

こうした現状を踏まえ、JSAでは精油の新しい認定制度である「JSA精油認定制度」の発足を計画している。

現在、精油に関わる制度はアロマセラピーでの使用を前提としたものはなく、基準値が厳し過ぎたり基準項目が少なすぎたりなど実質的に適応していない※1。そのため、アロマセラピーとしての使用における精油について、基準項目と基準値が適切に条件を満たす制度が必要とされる。認定制度の発足については、アンケート調査の実施を経て、「真正ラベンダー」「ティートゥリー」「スイートオレンジ」について準備を進めることとし、今回の学会では、その予備実験の結果が共有された。

 

ロバート・ティスランド氏(出典:日本アロマセラピー学会HP)

ロバート・ティスランド氏(出典:日本アロマセラピー学会HP)

大会2日目には、『The Art of Aromatherapy;日本語版「アロマテラピー芳香療法の理論と実際」』(フレグランスジャーナル社、1985年)などを著し、精油に関する科学と効能、その安全かつ効果的な使用を専門分野とする教育者であるロバート・ティスランド氏を招き、特別講演を行った。

ティスランド氏は、複数の精油を同時に使用することで、個々で使う時よりもより大きな効果が出る、つまり相乗効果があることの研究結果を発表。ただし、その中で、相乗効果は比率によって結果は異なり、そのメカニズムはまだ説明できず、予測が難しいという現状も共有された。

そのほか2日間を通じて、さまざまな視点からの精油の安全性と有効性が発表されるとともに、シンポジウム、アロマサミット2025などが開催され、それぞれに一歩踏み込んだ質疑応答や活発な議論が交わされていた。

アロマセラピーにおけるエビデンスを積み上げるとともに、実践のための具体的な取り組みを多く学ぶことができる場となった。

※1…精油に関わる制度では、ISO国際標準化機構や日本薬局方の基準があるが、前者は香料・食品・化粧品を対象としており、精油の90%が該当しないほど厳しい基準とされ、後者は医薬品の原料を想定としており、対象の精油が少ないとされる。

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