
このたび本誌取材で、日本月桃株式会社の碓井修代表にお話をうかがいました。
編集部に入るまで「月桃」の香りがどんなものか知らなかったのですが、初めて嗅いだときは、あまりのパンチの強さに驚きました。字面から勝手に、静けさを感じる香りを想像していたのでしょうか(「月」も「桃」も控えめなイメージがあったため)。控えめどころか、主張の強い甘さとスパイシー。カルチャーショックでした(笑)。
その後、月桃茶でいただくと、この香り……妙にクセになるなとウットリ。一種類の植物だけで作られたお茶なのに、不思議とブレンドされたスパイスティーのように複雑な風味がします。精油よりはインパクトが薄まるものの、しっかりと「月桃!」と感じさせます。
今回碓井さんとお話しするなかで、「月桃」の名前の由来は、台湾の現地語での発音「ゲータオ」から来ていると知りました。これに字を当てたものがゲットウ=月桃。だから「月」や「桃」の香りのイメージは関係なかったのですね!
今回なんと碓井さんに、日本月桃株式会社さんで販売している5種の精油サンプル(シングル2種、ブレンド3種)をいただいたので、ちょっと嗅ぎ比べた感想を簡単にレポートしてみます。
でも前述の通り、月桃の香りはとても複雑なので、本当に〝個人の感想〟としてご覧くださいね。購入検討中の方の参考になれば幸いです。
写真は左から、
シングル:月桃、タイリン月桃
ブレンド:la(太陽)、Pua(花)、puma(木)
のラインアップです。

①月桃
〔シマゲットウ/Alpinia zerumbet var.zerumbet〕
THE・月桃という香り。第一印象は「甘い!」と感じるものの、深く呼吸していくうち徐々にスパイスが強まる。一番奥からは、爽やかなのにどこか重厚なジンジャー感がゆったりと感じられた。主張が強く、気分がガラリと変わる官能的な香り。②タイリン月桃
〔タイリンゲットウ/Alpinia zerumbet var.excelsa または Alpinia oui var.wxcelsa〕
最初に嗅いだときは、一瞬、月桃とティートゥリーのブレンドかなと思うほど、清涼感が強く、穏やかで深みがある印象。面白いのが、「①月桃」精油の後に嗅ぐと印象が大きく変化すること。甘みがほぼ立たず深い静けさに満ち、思わず深呼吸をしたくなる。③la(太陽)
〔シマゲットウ、タイリンゲットウ、ローズマリー、グレープフルーツ〕
「①月桃」と「②タイリン月桃」の両方を入れてしまったら、「①月桃」が勝ってしまうのでは?と危惧するも、完全に杞憂。コーラ飲料を思い出す、爽快なスパイスの香り。エキゾチックなのに重さは感じられず、健康的でスポーティーな印象がある。④Pua(花)
〔シマゲットウ、イランイラン、ホーリーフ、ゼラニウム、ラベンダー〕
蓋を開ける前に想像していたよりも、最初にラベンダーを感じた。とはいえフローラル感とハーブ感のバランスが良く、飛び抜けて主張する植物はない。5種以上入っているように感じられるのは月桃の力かもしれないが、前面には出てこないのが面白い。⑤puma(木)
〔タイリンゲットウ、ティートゥリー、ヒノキ、フランキンセンス〕
「②タイリン月桃」でティートゥリーの気配を感じたと思ったが、「⑤puma(木)」を嗅ぐと、あれは完全に月桃だけの香りだったと再認識できる。湿度の高い森の朝を思わせる深い清涼感で、瞑想時に使っても心地良さそう。
こんな感じでした〜!
これまで月桃の香りは、煌びやかに鎮座する印象がありました(伝わります?)。でも今回シングル、ブレンドと嗅ぎ比べてみて、あらためて複雑で豊かな香りをもつ植物なのだなと実感できました。だからこそ、受け取り手の印象も変わるし、さまざまな精油とのバランスも成り立つのだなと思います。
皆さんにも嗅ぎ比べていただき、ぜひどのような香りの印象をもたれるか伺ってみたいですね。
編集部T














