日本の薬草文化〜地域に息づく“知恵と力”

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奈良・宇陀市の秘伝の大和当帰、岐阜・飛騨市の山あいで育つ野草、沖縄の太陽と海で鍛えられた薬草――日本各地に息づく植物の力は、私たちの体や心に驚きの変化をもたらします。セラピスト8月号では「和ハーブと薬草の世界」として特集しました。
古くから伝わる知恵と、現代ならではの工夫が融合した薬草の世界。その効能や使い方、思わぬ活用法の秘密を、ちょっとだけ覗いてみませんか?

(本誌編集部)

薬草の力、どこまで知っていますか?

植物は自らを守るために化学成分を生み出しますが、人間にとっては“毒”になることも。しかし古来から、人々はその力を“薬”として使いこなしてきました。現代の医薬品の半数以上も、植物由来の成分がもとになっているって知っていましたか?

 

奈良県宇陀市 ― 大和当帰に秘められた意外な魅力

大和当帰は、血流促進や婦人病に効果があるとされる伝統の薬草。宇陀市では、根だけでなく葉も活用し、入浴剤や食品として現代的に生かしています。地元の宿では、自分だけの薬湯を作れる体験も可能。昔ながらの知恵と新しい発想が融合した、地域ならではの取り組みです。

 

岐阜県飛騨市 ― 身近な野草がつなぐ健康の輪

山あいの飛騨市では、ドクダミやオオバコなど野草を乾燥加工して、家庭で手軽に楽しめる“野草茶”として提供。地域の人々にとって、薬草は日常の一部。森林の恵みと手間ひまかけた加工が、健康と文化の継承を支えています。

 

沖縄県うるま市 ― 過酷な環境が生んだ驚きのパワー

強い日差し、高温多湿、台風の雨風…沖縄の植物は、厳しい環境に耐えるために、抗酸化や再生力の高い成分を蓄えます。タマヌやノニ、シークワーサーなどは、美容や健康に役立つだけでなく、地域資源を活かした化粧品開発やサステナブルな取り組みも進んでいます。

未来の薬草 ― 「毒」を生かす知恵と新しい活用

薬草は、単なる服用以外にもアロマセラピーや園芸療法、フラワーレメディ、森林療法、食事療法など、現代の生活に多彩に活かせます。各地域で育まれた知恵と自然の力が、未来の健康や地域づくりのカギになるのです。

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 第2特集:私たちセラピストに不可欠な“ボタニカル”の力 和ハーブと薬草の世界

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