Natural and Clay 新しい時代のセラピストの役割

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世界情勢の改善に取り組む国際機関である「世界経済フォーラム(WEF)」は、2021年5月に開催予定だったダボス会議のテーマとしてグレート・リセットを掲げ、その必然性を訴えました。グレート・リセットとは、物質的・経済的な利益を最終目的とせず、あくまでも「人々の幸福」を経済の中心と考え、経済と社会のシステム改革を行うものです。

より良い世界をもたらすためのグレート・リセットは、私たちの社会と経済のあらゆる側面を見直し、刷新することを意味しています。ニュージーランドでは2019年に「幸福予算」と呼ばれる予算の枠組みが、主に社会問題に対処するために創設されています。これは「人々の幸福」が公共政策の達成目標のひとつに組み込まれた初めての例となっています。また、オランダのアムステルダム市では、人々の物理的要求を満たすリミットを地球が許容できる範囲とし、研究者たちが生態学的境界として定義した「気候、土壌、海洋、オゾン層、真水や生物多様性などの地球環境に悪影響を及ぼさないよう、絶対に人が超えてはいけない一線」に設定、公共政策を決定する際の基準として正式に導入しています。これらは将来に向けて、持続可能な経済活動を推進するために行われたグレート・リセットのわかりやすい例だといえるでしょう。

今回は、グレート・リセット後の世界で必要とされる、セラピーとセラピストの在り方を見ていきます。

提供/国際クレイセラピー協会 文/勢田仁美

癒し業界に到来したグレート・リセット

私たちの社会・経済システムは、新型コロナウイルス感染症によるパンデミック以前から、すでに限界に達しようとしていました。

物質的成長と目先の経済的利益を最優先にしてきたことで、地球環境は膨大なダメージを受けてきました。世界中で頻発している大規模な森林火災、殺人的な熱波、豪雨による洪水や台風などの自然災害や異常気象の増加、生物多様性の喪失、天然資源の減少、これらの現象はあきらかに経済システムの限界値を示すサインです。

私たちが考えと行動を変えなければ、人類そのものが淘汰されるところまで来ていることは明白です。このようなタイムリミットが迫る中で起きたパンデミックは、私たちの生命や暮らしを脅かすだけでなく、世界経済への打撃、社会生活や国際関係の悪化と分断、更には個人の孤立感をも深める結果となりました。

癒し業界も他業種同様に例にもれず、未だかつてない大きなインパクトを受けた産業のひとつです。パンデミックがグレート・リセットの引き金となり、大きな変革を強いられているのが、現在の癒し業界の現状といえるでしょう。ビジネスにおける明暗は、いち早く世界の流れを読み、人々のニーズをキャッチし、思考と行動をリセットできたかどうかで、天と地ほどに大きく分かれました。

パンデミックによる自粛要請や規制が入ったことで、それまで立地条件が良く、流動的な顧客層と来客数の多さで潤っていた大型商業施設内のサロン等は、来客数の落ち込み、場合によっては施設から休業を強いられ、経営に行き詰まっているケースも見受けられます。

一方、常連客などリピーター客を持つ個人サロンは、パンデミックの影響も最小限に抑えられ、逆にプラスに転じているという場合も多いと聞いています。

コロナ疲れや運動不足などからくる体調不良を抱え、心身のケアや癒しを求めている方々が、セラピストを頼って来店されています。安心して施術が受けられる条件と環境さえ整っていれば、予防医療や健康産業と同様に、癒し業界の需要はこれから高まっていくことは間違いありません。

ウイルスとの共存が必須となるこれからの時代において、人々の健康管理やウェルネスに直接的に関わることができるセラピストの存在はとても重要です。今一度、顧客側の視点と立場から、どのようなセラピー、そしてセラピストが必要とされているのかを見つめ直してみることも必要になってくるでしょう。

たとえば、ソーシャルディスタンスが必然の世界では、「タッチング=癒し」という単純な理論は成り立ちません。

クライアントの持つ個々の感覚値をベースに、最も心地良く感じることができる距離感と、スペースを見つけなくてはいけません。

既存のサロンメニューにクライアントを当てはめていくような「メニューありき」の方法も、これからの時代にはそぐわないでしょう。

グレート・リセット後のセラピーのかたち

セラピストと癒し業界の需要はこれから更に高まります。自身の健康を、病院や医師に全面的に委ねてしまうことが出来ないことを、ほぼ世界中の人々がこのパンデミックを通して学びました。

病気になってからの医療とは別に、自分の身体との向き合い方やケア方法、健康法を知ること、また定期的な身体のメンテナンスと、その相談ができる環境が必要なこともわかってきました。

自然療法はより身近なものとなり、自分のライフスタイルに取り入れやすいセルフケアの方法を個々それぞれが持つようになります。

セラピストはサロン内で提供する施術だけでなく、クライアントの健康維持のために、自宅に戻ってから日常生活の中で、継続的に行えるセラピーの方法と手法を伝える役割を担うことになるでしょう。

今、必要とされているのは、カウンセリングからクライアントの状態を把握し、そのうえでクライアントに合った施術メニューをパーソナライズしていくことができる、信頼のおけるセラピストの存在です。

健康で元気に自分らしく生きるためには「かかりつけの病院」以上に、「かかりつけのセラピスト」の有無が重要な時代がやってきます。これからのセラピストは不調をケアするスキル以外に、クライアントの健康を維持するための知識とノウハウを習得することが求められてきます。

カウンセリング力、身体の仕組みと働きを理解する解剖生理学、セラピーツールの活用法、セルフケアのためのホームセラピーなど、どのような知識や技術をプラスすることで、より自分らしい活動が可能になるのかをイメージしてみることが大切です。

ポストコロナ時代のクレイセラピーの可能性

クレイセラピーは非常にユニークな自然療法です。セラピーを体験された方は、ヒーリングクレイに触れた時の昔懐かしい「土の感触」と、身体の奥深いところからダイレクトに癒されていく感覚に驚きます。

ヒーリングクレイは、土壌深くにある汚染されていない粘土層から採掘された粘土鉱物です。粘土層は何千年、何億年という月日をかけて堆積された土壌です。自然と地球の循環だけで造られていくクレイは、人が手を加えて育てたりすることができない非常に貴重なセラピーツールだといえます。

またヒーリングクレイには、アロマやハーブ、漢方などのような薬効成分や効果効能というものがありません。存在するのは粘土鉱物の「基本メカニズムによる作用」と「作用特性」のみです。しかも作用強度と含まれているミネラル成分が異なる以外、作用そのものが大きく変化することもありません。

◎クレイの基本メカニズムによる作用
・吸収作用 ・吸着作用 ・浸透圧作用
・陽イオン交換作用 ・アミノ酸結合作用
◎クレイの作用特性
・病原菌の抑制 ・抗炎症作用
・鎮痛作用 ・循環促進作用
・免疫促進査証 ・瘢痕形成作用

一般的によく耳にするクレイの効果として、「デトックス、シミ、肌荒れ、ニキビ、アトピー性皮膚炎、浮腫み、骨折、肩こり、腰痛、腹痛、便秘、下痢、頭痛、生理痛、筋肉痛、痛みの緩和、発熱、癌など」があります。実際にこれらの症状を治すために、どのクレイを使用すればいいのかという質問を受けることも少なくありませんが、薬効成分を持たないクレイでは、「症状に効くクレイを選ぶ」ということはできません。人の身体に備わっている機能である自然治癒力を促進させることで、最終的に身体をあるべき状態に戻していくのがクレイセラピーです。

クレイセラピストは、クレイの作用を熟知した上で、作用強度と多様な特性からクライアントの体調や状況にあったクレイを選び、そのうえでセラピー方法を提案、施術も含め対応していきます。そうした施術に加えて、家庭でできるクレイパック、湿布、入浴や足浴・手浴、歯磨きや洗顔、ローションやクリーム、クレイジェルやオイル、クレイベースのファンデーションやコスメ商品など、健康管理と病気の予防となる「クレイの活用法」を伝えることがクレイセラピストの大きな役割のひとつになるでしょう。

これまでヘルスケアに対する関心が薄かった一般消費者も、パンデミックによる健康維持や感染予防の必然から、高品質な食品・飲料、化粧品・トイレタリー、ホームケア、アロマセラピーやクレイなどの様々な自然療法にも目を向けるようになりました。その結果、エッセンシャルオイルなどを始めとしたウェルネスやヒーリング関連の消費は増加傾向にあり、世界的にも市場は右肩上がりに拡大を続けています。

その反面、デジタル化の進展を背景にパンデミック前から後退し続けていた大量生産、大量消費の時代は、このパンデミックを境に完全なる終焉を迎えています。グレート・リセット後の新しい社会に生きるセラピストとして、自身の幸福観を運営と経営の哲学としながら、人々から求められる魅力的なオンリーワンのセラピストとして活躍していきましょう。

 

国際クレイセラピー協会
ICA国際クレイセラピー協会は、現代の暮らしに役立つクレイセラピーの研究・開発、クレイセラピストの育成・支援を目的に2009年4月設立。クレイセラピーの指導、資格認定を実施している。理事はMatthew Masonと松本淑子。
フリーダイヤル
0120-327-900
ICA公式サイト
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ICAオンラインショップ
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