ひのもとアロマ講座

北海道から沖縄……日本各地の精油を学ぶ
ひのもとアロマ講座

近年、ますます注目を集める日本産精油。
日本各地の精油生産者を訪ね、その魅力を発信し続ける古山順子さん。
日本産精油の真髄を学べるスクールも開校しています。
取材・文・撮影◎蔵麻子 提供◎ラヘラアロマ&トリートメントスクール

日本産精油を知ることで精油選びの基準が広がる

クロモジ、ユズ、ヒノキ、スギなど、近年徐々に注目を集めてきた日本産精油。ですが、日本の精油文化が明治期にまでさかのぼることや、日本各地に地場の精油生産者がいることは、ほとんど知られていないのではないでしょうか。アロマスクール・ラヘラが開講する『ひのもとアロマ講座』は、そんな知られざる日本のアロマの歴史や、日本産精油の産地や有効性についても学べる注目の講座。北海道から沖縄まで、全国各地の日本産精油について知見を深めることができるとあって、セラピストやアロマの知識を広げたい人々からの注目を集めています。

そもそもラヘラ代表の古山順子さんが日本産精油に興味をもったのは、国内の生産者めぐりがきっかけでした。

「セラピストとして、精油の製造法に興味があったんです。作り方は本にあるけれど、実際の現場を見てみたい。海外は難しいけれど、国内なら可能ではないかと考えて」と古山さん。  

実は彼女には、インターネットラジオでアロマの番組をもつパーソナリティという顔もあり、番組企画を兼ねて精油生産者めぐりを始めたというのです。

「これまで20件以上の生産者を取材して分かったのは、日本には明治期から精油製造文化があったことです。当時は香料や和漢の素材としての精油製造でしたが、1980年代に日本にアロマテラピーが入ってきたことから、アロマ商品としての日本産精油が作られるようになりました。ですが、あまりにその実態が知られていない。『もったいない!』と思ったのが、日本産精油の普及や知識啓蒙の活動に踏み切った理由です」

また精油の品質面でも、日本産精油を取り入れることは意義があると古山さんは考えました。現在の日本では精油は「雑貨」扱い。そのため輸入商品の中には、品質に不安のあるものもあります。しかし、日本産精油なら作り手の顔が見えると考えたのです。

「日本産精油を学ぶことで、精油を選ぶ知識や判断基準さえ持てば、国内外のいろんな精油から、用途や気分、体調に合わせてベストなものを選べるようになれます。精油の多様性を認め、与えられた判断基準ではなく、自分で考え精油を選び活用できるセラピストが日本にもっと増えたらいい。日本産精油がそのきっかけになれば素敵ですね」

精油の蒸留現場を見学し、体感することで深く学ぶ

日本産精油について学べるスクールや講座はすでにあるものの、まだその開講数はわずか。また、内容も樹木系精油が中心なのが現状です。ですが『ひのもとアロマ講座』では、日本各地の精油を、樹木系から柑橘系、ハーブ系まで学ぶことができるのが特色。さらに日本の植物の生態系や特徴、そこから生まれる精油の化学成分の違いについても踏み込んでいきます。

「精油づくりってお酒づくりと似ています。たとえばスギでも産地によって違いが出てきますし、年輪の違い、枝や葉のどの部位を使うかで個性が違ってくる。また蒸留後の精油って青臭いんですが、1週間以上寝かせると香りが成熟してくるんですよ」

精油の蒸留現場を見学することができるのも同講座の魅力です。古山さんがプロデュースする日本産精油『かおりと』シリーズの製造現場を見学し、香りの成熟変化も実体験できます。「将来的には、生産者ツアーも実施できたらと考えています。この講座をきっかけに、アロマに関心がある方が直接、日本の精油生産者さんとつながる……そういう環境を生み出したいんですよ」と語る古山さん。

アロマテラピーが日本に広まり約30年。これまで海外の精油や活用法に準じてきた私たちですが、これからは自国の植物文化にも目をむける時期にきているのかもしれません。日本産精油の特質について知見を広めることは、私たちのアロマ世界を大きく広げてくれるはずです。

日本全国のメーカーを取材し、日本産精油の魅力を伝える

『ひのもとアロマ講座』の充実した内容を支えているのが、スクール代表の古山さんのライフワークでもある日本産精油生産者への取材です。各地の植生から製造法まで細やかにリサーチ。ときには精油を抽出するチップづくりや蒸留をお手伝いしています。鹿児島県指宿市にあるハーブ園で日本産精油の歴史に触れたり、日本産無農薬ローズウォーターづくりに取り組む生産者や、サクラやクロモジなどの広葉樹の精油づくりに取り組む生産者にも注目。「日本産精油についてリサーチするうちに、かつて日本にあった豊かな自然を取り戻す活動にも触れるようになりました」と語る古山さん。講座ではこうした古山さんの体験談も豊富に語られ、本だけでは学べない生きた知識を吸収可能。オーガニックな暮らしに興味がある人にも魅力ある講座となっています。

500種類以上と言われる広葉・針葉樹が生育するユネスコエコパークでの精油生産に取り組む宮川森林組合(三重県大台町)や、檜精油に取り組む喜多製材所(奈良県吉野)も取材。

東京・大阪で開講予定!

ひのもとアロマ講座
~古山順子オリジナルカリキュラム 日本産精油のみを使用したアロマメソッド~

日程はお問い合わせください。

  • 初級講座

    ●時間…2時間 
    ●費用…14,000円(日本産精油3㎖ボトル3種 4,700円相当/クラフト材料/テキスト代 込み)
    ●内容…日本のアロマテラピーの歴史と、5種の日本産精油を学ぶ講座。オンリーワンアロマスプレー&ヒノキチップとアロマのシューキーパー作りの実習含む。

  • インストラクター養成講座

    ●時間…18時間 
    ●費用…160,000円(日本産精油18種・各3㎖※種類によって1㎖ボトル/クラフト材料/テキスト代 込み)
    ●内容…日本の香り文化の歴史と現状/日本の植物の生態系と特徴・精油の化学成分/日本産精油の有用性・事例(ホメオスタシス・恒常性)/日本産キャリアオイルと芳香蒸留水について/セルフマッサージ(足・デコルテ)/症例別アロマ活用(心・皮膚・婦人科・高齢者)/精油ブレンド実習

    インストラクター認定試験&養成カリキュラム

    ※認定講師としての活動を希望の方は受講必須
    ●時間…6時間 ●費用…50,000円
    修了生に向けた実践講座。受講後に「ひのもとアロマ講座・初級講座」の開催、”ひのもとアロマ”使用許可、精油購入割引特典などが認められるディプロマを発行。

  • 古山順子さん

    こやまじゅんこ 
    アロマサロン&スクールlahella代表。日本産精油ブランドKaoritoプロデューサー。


  • 大阪府豊中市上野西2-14-27
    TEL: 06-7502-1730 e-mail: school@lahella.jp
    http://www.lahella-aromaschool.com/