石垣島で“本当の自分”に還る3日間

沖縄発祥のトリートメント「琉球てぃんなでぃ」。龍が空を舞い、水中を泳ぐ姿をイメージし、琉球の天(てぃん)が身体を撫でる(なでぃ)様子を重ね合わせている。

セラピストもクライアントも
“あるがままの私”に戻る場所。
「原点回帰」ができる島

自然豊かな南の島「石垣島」には、「ディスティネーション ウェルネスプログラム原点回帰」という滞在型のプログラムがあります。
従来のリトリートとは異なり、ホテルの中だけでなく石垣島全体がその舞台であり、本当の自分・あるがままの私に還ることができます。
同時にこのプログラムは、セラピスト自身をも〝原点回帰〟へと導いてくれるのです。プログラム開発者の川島直己さんを密着取材しました。
全セラピストに大きなメリットを生み出す秘密に迫ります。
取材・文◎本誌編集部 提供◎アイランドヒーリング株式会社

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川島直己さん
かわしまなおみ 静岡県出身。32年前、エステティックやセラピーを学び、県内でセラピストとして活動し始める。10年後、沖縄に移住し、数多くのクライアントをケアし、セラピストを育てている。アイランドヒーリング株式会社代表取締役。沖縄県エステティック・スパ協同組合監事。THE Therapistスクール校長。INFA国際連盟インターナショナルエステティシャン。日本ケアセラピスト協会準講師他。

原点回帰のために作られた
自分だけの滞在型プログラム

《オイルを使ったトリートメントの中で、もっとも基本のスキルである〝エフルラージュ〟。その〝最初のストローク〟を背中に受けた瞬間、自分の身体が、とても深い呼吸をし始めたのが分かった。

軽擦とは思えない深い圧。複数のセラピストが触れているのではと錯覚するロングストローク。まるでホットタオルのような温かい掌。

普段の何倍もの長さに感じられる〝深呼吸〟が始まり、やがて時が経つことも忘れ、気がつくと自分の身体がベッドの奥深くにズブズブと沈んでゆくのを実感していった―》

沖縄本島から南西に向かっておよそ400㎞。東シナ海に浮かぶ八重山諸島の玄関口・石垣島は、珊瑚礁の海に囲まれ、山々が連なる自然豊かな島です。南国特有の温暖気候と透明度の高い海が魅力のこの島では、「石垣島ディスティネーションウェルネスプログラム原点回帰」(以下、原点回帰プログラム)を受けることができます。

近年、コロナ禍によって移住者が急増している石垣島。遡ること20年前に自らこの地に移り住んだ川島直己さんは、大自然のみならず文化や食、島の人々とのつながりなどを通して、「人が本来の自分に還るエレメントが、ここには揃っている」と実感したのです。

「ディスティネーション ウェルネスプログラム原点回帰」の1つ、秘境ツアー。

「32年間、セラピストとして多くのお客さまと出会ってきましたが、心身共に健やかな方との出会いはあまりありませんでした。でも、この地には、日常から離れて生活様式を変え、デトックス・リラクゼーション・健康回復などが叶えられる条件が揃っています。そしてスパ以外にも、同じ志を持つ異業種の仲間たちもいる。そこで〝島全体を施設〟と捉えたプログラムを開発しようと思ったのです」

川島さんが自ら作った「原点回帰プログラム」の特徴は〝島全体が癒しのプログラム〟であること。そして、もう一つの特徴が、目的も体質も異なるお客さまの話を、ウェルネスコンシェルジュがじっくりヒアリングし、オーダーメイドのプログラムを組んでくれることにあります。

このプログラムには、石垣の地にある自然、歴史、文化、縁、体験などのすべてが〝あるがままの自分に還る〟ための欠かせない要素として存在しています。そしてそれは以下の6つに分類することができます。

①ゆるめる―「琉球トリートメント」「ヨガ」などで全身の弛緩した身体を緩め、心も緩める。
②はなす―「ヒアリング」「ハーブボール」などで問題や現状から離れて自身を解放。内側から不要なものをリリースする。
③あそぶ―「サップ」「トレッキング」「カヤック」などで大切な子どもの遊び心を復活させる。
④食べる―「長寿朝食」「ココロに響くランチ」などで石垣島の自然のパワーと恵みをいただく。
⑤縁―「島に住む人々との出逢い」を通して自身の記憶に触れる。
⑥帰る・還る―「秘境ツアー」「コンサルテーション」などで根本の自分に回帰する。

他にも「星空ヒーリング」「アーシング」「自然農園体験」など、さまざまなセラピーが用意されており、そこに関わる人たちが大切な役割を果たしていると言います。

「サップのインストラクターにしても、ランチを提供する方も、まるで皆セラピストのようにお客さま一人ひとりを大切に接してくれます。自然の環境に加えて彼らの存在が〝島全体が癒しのプログラム〟と言われる所以(ゆえん)なのでしょうね」

プログラムに参加した福岡県に住む30代の女性は、その時の感動を次のように語ります。

「コンシェルジュと共に作る自分だけのプログラムが、まさに自分自身への原点回帰になりました。私のためにこんなにも丁寧に寄り添い細かく聞いてもらうだけで、心が癒されました。お食事も身体に優しくとても美味しかったです。忙しい生活から離れ、大自然の中で自分に向き合い、大好きなトリートメントを受ける日々は本当に最高でした。今日から新しい私で生きていきます!」

石垣島で学ぶことが
セラピストの原点回帰になる

「ディスティネーション ウェルネスプログラム原点回帰」は、石垣島全体が舞台になる。中でも琉球トリートメントを提供しているのは、「沖縄かりゆしリゾートエグゼス石垣」内の「アイランドスパ」である。

「原点回帰プログラム」の鍵を握る、セラピストとコンシェルジュ。このスキルを身につけた人材を育てることは、川島さんの使命でもあります。中でもお客さまの滞在中の全てをプロデュースするコンシェルジュは、メニュー全体を把握するにとどまらず、ヒアリングと接遇のプロフェショナルでなければなりません。

一方、基礎から学ぶ「ベーシック・ZERO」のコースでは、エフルラージュを始めとする基本5手技を徹底的に指導します。冒頭に記した施術体験は、今回の取材で受けた筆者のものですが、その感動体験の〝極意〟を川島さんが明かしてくれました。

「ベーシック・ZERO では、まずトリートメントをする意味を知っていただきます。これはセラピスト経験者でも答えられない方が多く、施術効果は半減してしまいます。例えばエフルラージュは単なるオイル塗布ではなく、お客さまの副交感神経を優位にして呼吸を合わせ、一体にな れる〝芸術〟なのです」

実はこの日受けた手技には、他にも多くの秘密が隠されていました。セラピスト経験者しか学ぶことができない「ハイブリッド・マッサージセラピー」は、オイルトリートメントと整体ストレッチを組み合わせた手法。オイルの施術で緩んだ筋肉を利用して、その部位にストレッチをかけることで、身体はよりほぐれていきます。さらにタオルでオイルを拭き取る時も、必ず指圧やストレッチをするなど〝髪の毛一本から足先まで全身をほぐすスキル〟を伝授しています。そしてもう一つ、川島さんが一番注力しているカリキュラムが「リノベーションコース」です。

「皆さん勉強熱心でさまざまな手技を習得していますが、その結果、何を強みにしていいか分からなくなっています。このコースは新しい技術を学ぶのではなく、心にアプローチしてあなたの技術を少し変えるだけ。そうすることで、オンリーワンの〝あなただけにしか出せない技術〟 へと変化するのです」

心に寄り添い、心に触れる
セラピストとしての原点回帰

ウェルネスセラピストの後上里愛育さん。お客さま1人ひとりに合わせたセラピーを“包み込むように”行っている。

大阪市内のアロマスクールで学び6年前にセラピストになった後上里愛育(しいうえざとあい)さんは、石垣島に移住しホテルスパ勤務後に〝本物のセラピー〟を追求し川島さんから学ぶことになります。しかし〝セラピスト経験者〟というバックボーンが、そして〝ちゃんとしなければ〟という完璧主義が、しかも本人が自覚していない〝意識下〟に存在していたために学習の妨 げになったと言います。

今では、ウェルネスセラピストとして「原点回帰プログラム」を提供している後上里さんが、当時を振り返り言います。

「川島さんは、授業以外の時間も根気よく接し、私の〝心の癖〟に気づかせてくれました。経験者として相応にできなければ、何事もちゃんとできなければ駄目だと思っていましたが、できないから学びに来ているんだ、まっさらになって吸収しよう!と気づかせてくれたのです。〝経験者〟というフィルターを外すことで、セラピストになりたいと思った初心を思い出し、無の状態で受け入れた結果、技術も変わっていきました。まさに原点に回帰したのです」

固定概念を壊して、意識を変えてゆく―。これは、積み上げた経験があるほど容易にできることではないでしょう。しかし、川島さんは取材の過程で「心が変われば、技術が変わるんです」と度々語り、それをセラピストにも、お客さまに対しても伝え続けてきました。

「心が変わらなければ、手技は変わりません。ご縁があってここに来られたセラピストさんには、一つでも良いので気づきを得て、何かを持ち帰って欲しいのです」

セラピストの
本来あるべき姿がここにある

川島さんが大切にしている〝心のトリートメント〟を受け継ぐ人たちは、島内に少しずつ増えています。トリートメントと雑貨の販売をしている「あるま・ねっと」には、その教えを受けた障がいを抱える12人のセラピストとその卵たちが〝ハートフルタッチ〟と呼ばれるフットトリートメントを提供しています。

彼らのセラピーは〝ただ目の前にいる人を、気持ちよくしてあげたい〟という想いに溢れていました。そして、実際に施術を受けると、下肢のエフルラージュが、こんなにも温かく気持ちの良いものだったのかと感動せずにはいられませんでした。

「あるま・ねっと」のセラピストたち。川島さんから学んだ技術を忠実に再現したトリートメントが、至福の時へと誘う。

石垣島における取材の旅路では、さまざまな出会いと体験、そして気づきがありました。島の自然に癒されたことはもちろんですが、同時に、お客さまに寄り添い、セラピストの心の琴線に触れ、誰に対しても分け隔てることなく接する川島さんのハートフルな思いが、その〝イズム〟が、しっかり受け継がれていると気づかせてくれたのです。

セラピストにできること。それは、決して自身が癒すのではなく〝伴奏者〟として寄り添うこと―。セラピストの本来あるべき姿が在るここ石垣島には、コロナ禍が去った後も、きっと多くの〝同志たち〟が、次々とやってくることでしょう。

取材協力◎沖縄かりゆしリゾートエグゼス石垣
TEL 0980-86-8001
http://www.kariyushi-ishigaki.jp/

独自のコンサルテーションにより、お客さま1人ひとりの状態に合わせてプログラムを作成。一週間のコースも人気です。

  • 1日目
    [リリースDAY]

    コンサルテーション コンシェルジュによるコンサルテーションで、体質・体調に合わせたプログラムを策定
    命草足湯(ぬちくさあしゆ) 疲れた足を木のたらいの中で丁寧に洗い、日常の疲れを癒す足湯マッサージ
    メディテーション・ヘッド 質の良い眠りを誘うヘッドマッサージ
    夕食 ホテル厳選素材のリゾートディナー
    ※夕食は2日のうち1日がオプションとなる

  • 2日目
    [デトックスDAY]

    モーニングYOGA 朝の新鮮な空気を取り込みながら身体をほぐす
    朝食 島素材をたっぷり使用した長寿朝食
    琉球セラピー・デトックス タマヌオイルをベースにした琉球ヴェーダオイルによるトリートメント。その後身体を温め発汗し、身体から排出された老廃物をハーバルゴマージュで落とす
    フリータイム ジムやプール、休息など
    夕食 ホテル厳選素材のリゾートディナー

  • 3日目
    [バランシングDAY]

    アーシング 朝食前にビーチを散歩し、砂浜デトックス
    朝食 島素材をたっぷり使用した長寿朝食
    琉球セラピー・バランシング 日常の生活で疲れた神経のバランスを整えるトリートメント
    自然散策体験 農園散歩
    昼食 島の食材を生かして創る、ココロに響くランチ
    コンサルテーション 滞在中の振り返り

https://island-healing.net/gentenkaiki/

全てのコースに共通しているのが、セラピストの内面意識を施術に反映させる力を養えることです。

  • ベーシック・ZERO(40時間/ 220,000円):人体の構造・働き・接客・カウンセリング、スウェディッシュマッサージ等を学ぶ
    ベーシック・ZERO フェイシャルトリートメント(40 時間/ 264,000円):クレンジングからタオルの使い方までの基礎を学ぶ
    アドバンス「ハイブリッド・マッサージセラピー」(40 時間/ 396,000円):スウェディッシュマッサージに整体ストレッチを組み合わせたハイブリッドなセラピー
    Therapist リノベーションコース(1DAY / 35,000円):新しい技術を学ぶのではなく、お持ちの技術を少し変えて気づくだけで、オンリーワンのあなただけにしか出せない技術に変化する
    ウェルネスセラピストマスターコース(30 時間/ 165,000円):原点回帰プログラム専門のお客さまを担当できる
    ウェルネスコンシェルジュ(15 時間):プログラムの提案や作成、お客さまの滞在中のサポートを行う
    ※ 受講料はいずれも税込。

    オイルトリートメントに整体ストレッチを組み合わせた「ハイブリッド・マッサージセラピー」の一手技。右手で顎関節を押さえてテンションをかけ、左手は胸鎖乳突筋を通り鎖骨まで流しながら同時にストレッチを行う。

https://island-healing.net/therapist/

取材協力◎アイランドヒーリング株式会社
TEL 0980-83-1276
https://island-healing.net