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重松浩子先生の「和精油をよく知るためのQ&A」

今回、和精油コーナーの展示中や、コーナーで実施した「嗅ぎ比べレクチャータイム」にご参加の皆さんから寄せられたご質問の中から、多く寄せられたものをピックアップしてご紹介。 和精油の理解を深めたり、その使い方など、これからアロマを楽しむためのヒントがぎっしり詰まってます!
各質問の回答にあるメーカー名をクリックするとそのメーカーの「商品一覧」ページに移動できます。該当精油以外の商品もご紹介していますので、スクロールしてご覧ください。

重松浩子

Jスタイルアロマ研究所代表。英国ITEC認定アロマセラピスト。日本でアロマテラピーが広く知られる前からアロマを学び実践している。「日本人に合うアロマ」を研究し、北海道から沖縄まで日本産精油の産地訪問を重ね、産地と消費者をつなぐ「日本の精油」の普及に力を注いでいる。

Q1「和精油」は、日本で作られた精油のことですか?

A和精油コーナーにおいては、日本で製造された精油を指しています。市販されている精油には、海外で栽培されたり、製造されていたりしても「和精油」としているところを見かけます。わかりにくい精油は製造元や販売元に確認しましょう。

「和精油」以外にも「国産精油」、「日本産精油」などの言葉が使われています。
日本のアロマセラピーは、用語ひとつとっても、団体や企業、販売先がそれぞれの考え方で使っていることが多いので、混乱しやすいですよね。商品イメージを良くしたいと誤解を招くような商品名や商品説明を見かけますので、消費者の私たちがそれに乗ってしまわず、きちんと確認して納得して購入することが大切です。

Q2クロモジ精油を使ってみたいのですが、産地、各社いろいろあって、選べません。

A私は「迷ったら鼻に聞け」という言葉を頼りにしています。本能的に好きと感じ、その香りの心身への影響が好ましいと感じた精油は、今の自分に間違いではないと判断します。

「和精油コーナー」のように、産地や製造元の異なる同じ精油を嗅ぎ比べられる機会は、理屈抜きに自分との相性を知るチャンスです。オンラインでは残念ながら香りは嗅げませんが、参考までに和精油コーナーでの皆さんのご感想などをご紹介します。

燕雀堂」さんの青森県のオオバクロモジ精油は、初日で完売するほどの人気でした。ただし、例えば朝と夜では気分も体調も異なり、好ましく思っていた香りに違和感を覚えることもあります。数種のクロモジがあると朝のクロモジ、夜のクロモジなどのように、その時々にふさわしいクロモジの楽しみ方ができることでしょう。

アースリング」さんの石川県のクロモジは、青森県のクロモジよりやわらかな印象があり、疲れた夜にリラックスできそうとの感想。「飛騨産業」さんの岐阜県のクロモジには樹の重厚感も感じるとの感想がありました。

Q3「アスナロ」と「ヒバ」は同じ植物だと聞いていましたが、産地で名前が違うだけですか?

A同じ樹を指すこともあれば、変種を呼び分けることもあります。
「アスナロ(学名Thujopsis dolabrata)」は、北海道南部から九州まで広く分布します。アスナロの変種に「ヒノキアスナロ(学名Thujopsis dolabrata var. hondae)」があり、栃木県を南限として、アスナロより北部に分布する樹です。これらはヒバ、アスヒ、アテ、クマサキなど、地方ごとの別称が50近くもあるそうです。

どちらの樹を原料としている精油かわからないときは、製造元や販売元に確認してみましょう。どちらも主成分はツヨプセンで、他にエレメンやセドロールなどがありますが、「ヒノキアスナロ」には特徴成分である「ヒノキチオール」が2%ほど含まれ、「青森ヒバ」が有名です。

和精油コーナーでは「ヒバ開発」さんの精油が青森ヒバです。また、御用木(幕府や藩などが独占的に製造・納品させた高級木材)であった青森ヒバが能登地方に植林されたことで、能登ヒバとなったとの説があります。「アースリング」さんの能登ヒバにもヒノキチオールが2%以上含まれます。

Q4ハッカ油は、ペパーミントと同じ使い方でいいですか?

Aそれは少しもったいないかもしれません。どちらも鼻に抜ける爽快感や肌に感じる清涼感などが魅力のひとつですが、それを担う成分「ℓ-メントール」が「和精油コーナー」の北海道「さばいでぃ農園」さんの「和ハッカ」、岡山県「吉備のくに未来計画」さんの「倉敷薄荷」は、ペパーミントの倍以上含まれるのです。

つまり、ペパーミントの半量ほとでいいということになります。また高濃度メントールのため、原液を嗅ぐとシャープな爽快感が第一印象ですが、希釈して使うと爽快感の陰に隠れていた甘さが心地良く感じられて落ち着いてきます。日本のハッカ油は、使用濃度で覚醒と集中、鎮静とリラックスの使い分けがしやすい便利な精油です。

Q5スギやヒノキはたくさん産地があり過ぎて違いがわかりません。重松さんが買うために選ぶならどれですか?

A私なら、「全部そろえる」になっちゃいます(笑)。
ただ、いつでも金銭的な余裕があるわけではないので、私の優先順位をご参考いただけるなら、第一に本能的に好きな香りです。(Q2参照) 

ご質問者のように違いにあまり差を感じず、ほぼ日本全国にあるような精油は、地元産、あるいは故郷で製造されたものを選びます。京野菜や鎌倉野菜のように、地元の人が地元野菜を守り、買い支え、全国的に広がる展開は、アロマにおいてもお手本になると考えています。

私は秋田県の生まれで、暮らしに活用されている杉の使い方や工芸品などは、その香りとともに意識下に擦り込まれていると感じることがあります。「和精油コーナー」では「アトリエアンダンテ」さんの「秋田杉」に無意識に惹かれる理由の一因だろうと考えています。また、こちらの精油は杉の葉の先端部分のみを使っているのですが、枝ごと蒸留したものより香りに繊細さが感じられます。

また、同じ樹で抽出部位が複数あるのも針葉樹精油の特徴ですから、富山県「AROMA SELECT」さんのように、ヒノキの葉、枝葉、幹と細分して製造してくれる精油は、そろえて違いを楽しむことで、自然と使い分けるようになりました。

Q6ユズ精油を買いたいのですが、使ったら日光に当たらないほうがいいのですか?

A「和精油コーナー」で取り扱った柑橘精油は、水蒸気蒸留法で製造されているので心配には及びません。安心して朝からお使いいただけます。ただし、柑橘精油は香りが変化しやすく、早めに使い切ってしまったほうがいいことには変わりありません。古くなった柑橘精油が肌に不快な刺激となって、それを光感作と思われてしまうことがあります。私は柑橘精油を冷蔵庫や冷凍庫に保管しています。

エコロギー四万十」さんの「かおりの精」シリーズ「四万十ゆず」精油は、酸化防止にビタミンEを0.1%添加しており、こちらは常温で保管していても我が家では使い切るまで香りが変わりにくく、普通のゆず精油と遜色なく便利に使っています。
このシリーズでは、他に「土佐ぽんかん」、「土佐ぶんたん」が出品されています。

Q7北海道モミ精油は、クリスマスの芳香のイメージが強いのですが、クリスマス以外にどんな使い方ができますか?

Aフプの森」さんの「北海道モミエッセンシャルオイル」は、我が家では臭いがこもりそうな空間などに、年中欠かせない精油のひとつです。たとえば、押入れにはサシェに滴下して壁面に止めておき、枕や布団の襟元になどにも北海道モミのブレンドをスプレーしたりすると、しばらく布団が干せないときでも快適です。

高齢者特有のニオイがこもりがちなお部屋やクローゼット、おもらしの臭いが染みつくベッド、トイレなど、殺菌、抗菌にも優れるので、介護にとても役立ってくれています。まさに森林浴を思わせる香りは、我が家の年寄りも抵抗なく、穏やかな気持ちにしてくれるようです。

また、血液やリンパ液などの巡りが良くなり、体も気持ちも温めてくれる体感印象があるので、冷えやむくみ、それらで悪化しやすい関節や筋肉の痛みがあるときには好んで使っています。まさに自粛で身体がなまりがちで冷えに悩みやすいこの冬にはとても役立ってくれる精油と言えます。

Q8「八重桜」の製品は精油ではないですが、どのように使うのですか?

A五泉市観光協会」さんの「八重桜花セルエキストラクト」は、生の桜の花から抽出したエキスで、「八重桜花パウダー」は、エキス抽出後の脱水されたドライフラワー状態の製品です。アンチエイジング効果やリラクゼーション効果があるそうなので、我が家では、エキスはスキンローションやローションパックなど、手作りのスキンケア品のウォーターベースとして活躍しています。また飲料水に加えて、フレーバーウォーターも楽しみます。

食品としても使用しやすいパウダーは、お湯をそそいで「桜茶」にしたり、パンケーキに混ぜ込んだり、シロップを作ったり、ホワイトリカーに漬け込んで作ったチンキをドリンクにしたり、ローションや入浴剤にしたりと様々に楽しんでいます。(食用の場合は加熱処理をしてください)

日本産精油は花の精油がほとんどなく、日本を代表する花である桜の香りが欲しいときは、塩漬けの桜茶や桜餅に使われる桜の葉を塩抜きして使っていましたが、塩抜きの必要なく便利です。

食の香りからもアロマライフを楽しむ「おいしいアロマ」のご提案を続けているので、桜の香りはすでに日本人に親しまれていてお勧めしやすいです。また、外国人に日本ならではの香りを求められたときにご紹介しやすく、精油ではありませんが「重松セレクト」として和精油コーナーにご出品をお願いした製品です。

『コロナの冬を乗り越えて“春待つ気持ち”』を込めて、皆さんにエールとともにお届けしたい“桜”の香りです。

Q9コロナだけでなく、インフルエンザも心配です。感染症対策に役立つ精油はどれですか?

A精油だけを過信せず、まずはバランスよく食べて運動不足にならず、ストレスを溜め込まず、質の良い睡眠をとること、手洗い、うがい、換気、掃除など、基本となる生活をしっかりと整えることが大切です。それらに精油を使うことは、それぞれの質を上げてくれますので、結果的に免疫力もあげてくれます。

つまり、アロマセラピーを特別なものとして特別なときだけ使うのではなく、毎日やっていることに組み込むアロマライフを楽しみ役立てることで、私たちの本来持っている防衛力や回復力を活性するのに役立つというわけです。

沖縄「ゆめじん」さんの「月桃エッセンシャルオイル」や福岡「緑の機能性研究所」さんの「ギンバイカ」は、疲れやストレスがたまって免疫力の低下を感じそうになった時に、私が自然と使いたくなる精油です。どちらもユーカリやティーツリーなどの特徴成分である1,8-シネオールを含みます。
抗菌、抗ウイルス、抗炎症などの機能性で、風邪予防や風邪症状の軽減によく選ばれる精油ですね。月桃やギンバイカにも同じような機能性が期待できます。

Q10日本で作られる精油を使うメリットはありますか?

Aとーってもあります。まず、日本産精油の多くが「サスティナブル」な製品と言え、私たちがそれらの精油を購入・使用することは「エシカル消費」となり「SDGs」に貢献していることになるのです。

「サスティナブル(sustainable)」は、「持続可能な」と訳され、地球温暖化やその影響が関わるとされる、大雨や台風による災害などの環境問題解決で誕生した用語だそうです。日本でも毎年のように、豪雨被害や台風被害の報道がありますね。

海外では森林は減少の一途をたどり、種類によっては絶滅危惧種となっていますが、日本は逆のことが言われています。
減るどころか放置され、伐採されても産業廃棄物になってしまう枝葉は山に残され、台風や大雨で流れると土石流などの被害の拡大につながってしまうそうです。枝葉を捨てれば産業廃棄物のゴミですが、「精油」製造は、山に人が戻り、雇用が生まれることになります。針葉樹は精油成分のために腐敗せずにたい肥や腐葉土として利用できませんが、蒸留して精油を抜くことで、畜産や栽培に利用できるものになります。

アロマが関わることで、「ゴミ」ではなく、「資源」になるのです。災害の一因が、私たちの心や体や暮らしに役立つ「精油」という製品に生まれ変わります。すごいですよね。

「エシカル(ethical)」は「倫理的な」という意味ですが「法的な縛りではなく、人々が正しいとか公平だと思う良心による社会的な模範」のような意味で使われ、特に人権や地球環境、社会や地域などに配慮した考え方や行動を指して環境保全や社会貢献の意味で使われることが多くなっています。レジ袋を使わずエコバックを持つことが日本でも普通になってきました。プラスチックのストローを草ストローやステンレスのストローにするお店、オーガニックコットンやフェアトレードを意識して買い物する人なども増え、「エシカルファッション」、「エシカル消費」などの言葉が使われて、ブームのような動きも見せています。

「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」は「Sustainable Development Goals」の略で「持続可能な開発目標」のことです。地球資源の枯渇や環境破壊の危機感から、2015 年の国連サミットで193 国の首脳参加の全会一致で採択された、世界規模の取り組みです。環境問題の他、貧困や飢餓、人権問題などなど17 の目標があり、あらゆる人が、それぞれの立場から目標を達成するための行動を求められています。個人や企業の取り組みがテレビや雑誌で取り上げられ、SNS でも話題に挙げられていますので耳にする機会が増えたと思います。

日本産精油の製造元の中には、こうした取り組みが企業理念の中にうたわれていたり、世界的な取り組みであることを知らずとも、すでに環境保全や生態系の保護や回復、地域活性や雇用拡大などの問題に精油製造で取り組むところが少なくないのです。

森林問題だけではなく、海洋汚染や、サンゴを守るために植えられた月桃、土壌流出防止に利用されるベチバー、高齢化や過疎化による休耕地、耕作放棄の土地活用、規格外などで販売できずに産業廃棄物となる農作物の活用などなど、日本の諸問題改善・解決にかかわる植物が、精油という製品になっているものが多くあります。
むしろ、最初からアロマセラピーのために作られる精油のほうが少ないと言えるかもしれません。

ですから、未熟に感じる精油に出会ったとしても、作り手の熱意が感じられて消費者の声に耳を傾けてくれるところなら、買い支える気持ちを持って、ともに成長する楽しみに変えています。
日本産のほとんどの精油は、まだまだ新参者でまだまだこれからです。楽しみですね。
あなたも“オシ” 精油を見つけて購入してみませんか。

自分が住む国の植物、農産物が原料であることのメリットは、まだまだあるのですが、「まず」で、はじめた「メリットその1」だけでも長文になってしまいましたので、別の機会でお伝えしましょう。次回2021年12 月17日18日開催予定の「発見!アロマ&ハーブEXPO2021」和製油コーナーではそれらのメリットを“発見” していただけることでしょう。

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