セラピスト8月号 「バッチ博士の植物観察法」連動記事

投稿日:2016年7月11日

フラワーエッセンス研究家と花療法士が教える!

「黄色い色をした花は、人に元気を与えてくれる」など、”花色”や”姿かたち”から植物の持つエネルギーや質を推測するのが、植物の「徴」の理論です。
セラピスト8月号の巻頭記事「植物の生きざまが人と共鳴し、癒しを生み出す」では、フラワーエッセンス研究家の東昭史さんと、花療法士のYOKOKO.(よここ)さんが、植物園で「徴」の理論を体験。実際に樹木や花を観察して、植物の持つ質やエネルギーを考察していきました。この記事では、本誌でご紹介しきれなかった植物たちのエピソードを掲載しています。本誌と併せてお楽しみください!

取材・文◎中澤小百合 写真提供◎東昭史

セラピスト8月号でも
フラワーエッセンス特集を掲載しています。

観察のポイントを解説してくれるのは…

東昭史(あずまあきひと)さん

フラワーエッセンス研究家。カレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー講師。主に植物の特徴表示を学び、Far East Flower Essences を研究。著書に『バッチフラワー 花と錬金術』(東京堂出版)など。

セッションでのエピソードを紹介してくれるのは…

YOKOKO.(よここ)さん

フラワーエッセンス・スクール、カウンセリング、販売を行う「シャンドゥルール」代表。これまでカウンセリングしたクライアントは2000名以上。日本原産のフラワーエッセンス「奄美の四季シリーズ」のプロデュースも手がける。

「ワイルドローズ」(カニナバラ)

「ワイルドローズ」(カニナバラ)
●観察のポイント –花の色とかたちを見よう!–

東:「ワイルドローズは、花にその性質がよく現れています。花色は淡いピンクで中心は白っぽい。そして花弁はハート形です。そう、ハートは愛の象徴ですよね。
ワイルドローズは、情熱に火をつけるエッセンスです。逆を言えば、あらゆる物事に諦めてしまっている人のためのエッセンス。人は、バラの花を見ることで、その美しさや香りに魅了されますよね。一般的に「無関心」の反対にあるものが「愛」とされていますが、バラはその美しさによって、私たちの心に情熱の火を灯し、やがて他のものに対する愛をも呼び起こしてくれるのです。特にそれがバラのエッセンスの持つ力なのではないかと思います」

●ワイルドローズのエピソード –燃え尽き症候群に–

YOKOKO:「ワイルドローズで思い出すのが、燃え尽き症候群になってしまった中高年の女性の例ですね。彼女は、ご主人が単身赴任だったので、ずっと息子さんと2人きりで暮らしてきたそうです。そのため、子どもをとても溺愛していたのですが、息子さんが地方の大学に行ってしまったことで、何事にもやる気を失ってしまいました。セッションにいらしたときは、楽しんでいた趣味にも喜びを感じず、料理をする気にもならず、食欲もなくなって…という状態だったのです。
でも、ワイルドローズを使っていただいたところ、すっかり明るくなり、その後、『韓流ドラマにはまって、今度友達と韓国旅行に行くことになりました!』とご報告をいただきました」(YOKOKO.さん)
東: 「愛の思いが蘇ることで、自分の人生への関心を取り戻せたということですね。男性である僕としては、関心の対象をご主人にも向けていただきたいですね(笑)」

「オーク」(ヨーロッパナラ)

「オーク」(ヨーロッパナラ)
●観察のポイント –頑張り続ける姿と、そこに集う生き物たち–

東:「今回観察したのは、ヨーロッパのオークに一番近いと思う近縁種のミズナラです。オークを見ていると、あちこちに昆虫がいたり、動物が憩うことのできる洞などがあるのが分かります。オークの木には数多くの生物が集まり、その数はヨーロッパに自生する植物の中で最も多いとされ、500種とも600種とも言われています。樹皮の間に住む昆虫、葉を食べにくる昆虫、葉に卵を産み付ける昆虫、その昆虫を餌にする小鳥、実ったどんぐりを食べにくる動物たち、木の幹にできた穴で冬眠する動物…。『他の生きものたちの生活を支えているから、自分はどんなに辛くても大変でも倒れるわけにはいかない』と頑張り続けているのがオークです。その表れとして樹皮はボロボロになり、枯れた葉を落とさずに付け続けています。枯れた葉を付けていても何の意味もないのに、頑張って散らさない…。限界を超えても頑張り続けるオークの特徴がよく表れています」

●オークのエピソード –オークを摂りたがらない人こそ、オークのタイプ–

YOKOKO:「身体が限界だから休息をとらなければいけないのに、責任感が強いので自分からは絶対に休まない、というのがオークの質を持つ人の特徴です。私もオークのタイプなので、その気持ちはよく分かります。
そのような方たちがオークのエッセンスを飲むと熱が出て、休まざるを得ない状況になることも多いのですが、皆さんあまり飲みたがらないんですね。『今オークを摂って休むことになると、周囲に迷惑をかけるから、仕事がひと段落するまでは飲めません』と…。『そのセリフそのものがまさしくオークタイプよ!』と思います(笑)」

「レッドチェストナット」(ベニバナトチノキ)

「レッドチェストナット」(ベニバナトチノキ)
●観察のポイント –花のピンク色が「愛する人への心配」を表す–

東:「レッドチェストナットは、白い花のセイヨウトチノキと赤い花のアカバナトチノキの交配種で、ピンク色の花を咲かせます。花の形はホワイトチェストナットとほぼ同じですが、『ピンク』という色が大きな意味を持っています。ホワイトチェストナットがもっぱら自分の問題に対する強迫観念であるのに対して、レッドチェストナットは、ピンク色が意味する”他人に対する気遣いや愛情”がテーマ。自分の身近な人、愛すべき人の身に悪いことが起きるのではないかという強迫観念で頭の中がいっぱいの時に使うエッセンスです。花の形は一緒でも、色の違いによって、その植物のエネルギーは大きく異なります」

●レッドチェストナットのエピソード –母子問題に欠かせないエッセンス–

YOKOKO:「レッドチェストナットに当てはまるケースで多いのは、母子問題。母親が持つ子どもへの過剰な不安感ですね。『少し心配だな、大丈夫かな?』というレベルではなく、『うちの子に何か良くないことが起こるのでは?』という心配が妄想のように膨らんでいき、何も手につかなくなるという方も少なくありません。親がマイナスの思いを抱き続けると、現実にそれが反映されてしまう場合もあるので、相手を信じてあげることが大切です。愛情が間違った方向に行ってしまった時に、レッドチェストナットは助けになってくれます」

「ヴァイン」(セイヨウブドウ)

「ヴァイン」(セイヨウブドウ)
●観察のポイント –強硬な手段をとって生きる植物–

東:「ヴァインの特徴は、他の植物の上に大きな葉を覆いかぶさるように自分を広げていく植物だということ。ツル性の植物は支配的な傾向が見受けられますね。さらに着目したいのが、開花のプロセス。ヴァインの花は、花弁の先端が合着して花弁が開かず、そのままでは受粉できない形状をしています。そのため、開花のときは花弁を自ら引きちぎり、放り捨ててしまうのです。手段を選ばずに、花弁を投げ捨ててでも目的を達成しようとする開花のプロセスに、このエッセンスを必要とする人の性質がよく表れています。ヴァインのタイプの方はとても有能な人。自分の正しさや能力を確信し、物事をやり遂げるために、他人を説き伏せます。病気のときでさえ、世話をしてくれる人に指図したりもします」

●ヴァインのエピソード –みんなのために闘うジャイアン–

YOKOKO:「私はスクールで、フラワーエッセンスの質をアニメのキャラクターに当てはめるという授業をしているのですが、ヴァインは、ドラえもんに出てくる『ジャイアン』そのものです。支配的で、傲慢。でもヴァインには違った一面があります。ある時、1人の生徒さんが『ジャイアンはヴァインだと思っていたけれど、映画版のジャイアンは、ヴァインのように見えませんでした。すごく勇気があって、皆のために先頭きって闘っていました!』と聴かれたのですが、それはまさしくプラスの状態のヴァインなんです。ネガティブになると、他人の言うことは一切聞かない、自分の考えを押し付ける傲慢な支配者になってしまいますが、ポジティブな状態であれば、皆を導いていくリーダーになれるのです」

「アグリモニー」(セイヨウキンミズヒキ)

「アグリモニー」(セイヨウキンミズヒキ)
●観察のポイント –黄色い花の裏にひそむトゲ–

東:「アグリモニーは、花穂の周囲を取り囲むように黄色い花を咲かせます。それは、太陽のような華やかさであり、外交的で周囲に明るい表情を演じている人と重なります。しかし、この黄色い花の裏側にはトゲがあるのです。トゲが心に隠している苦しみや痛みを象徴していますね」

●アグリモニーのエピソード –過剰なポジティブで問題に蓋をする–

YOKOKO:「アグリモニーは”仮面のレメディ”と呼ばれています。自分の中に苦悩や葛藤を抱えているけれど、それを表に見せません。たとえば、ご主人のDVを受けていた女性のケース。暴力を受けた話を笑顔で話しているので、『ちょっと待って。これってすごく深刻な話ですよね?』と聞き返すと、『そうなんです~』と、またおどけた様子で話す姿が印象的でした。自分の気持ちに蓋をして見ないようにしている人が多く、目を背けるために何か夢中になれる代償を求めるため、依存症や中毒になりやすいのも特徴です。この女性は自分が面白いことを言うと周囲の人が笑ってくれるので、写真もいつも変顔で映るなど、”いつも面白い私”を演じていました。自分が本当はどういう性格なのか分からなくなってきたと言っていましたね。普段は明るい人が多いので、一見深刻そうに見えませんが、実は深い悩みを持つ例が少なくありません。日本人にはこのエッセンスを必要とする人が多いですね」

「ホーンビーム」(セイヨウシデ)

「ホーンビーム」(セイヨウシデ)
●観察のポイント –翼の果実を持つ挑戦者–

東:「ホーンビームはシラカバなどと同じカバノキ科です。シラカバは山火事などのあとに侵入し、最初に生育を始める”パイオニアプラント”で、ケルトの神話では『始まり』を象徴します。同じカバノキ科のホーンビームにもパイオニアスピリット、つまり新しいことに積極的に挑んでいく精神が宿っていると言えます。花が終わった後の果実の形にその質がとてもよく表れていて、新たな大地へと羽ばたく翼を連想させるような形をしています。鬱屈とした気疲れややる気の起きない状態から、前向きに新しいことに取り込んでいくエネルギーを持つエッセンスですね」

●ホーンビームのエピソード –自然とやる気に導くエッセンス–

YOKOKO:「身体が疲れているわけではないけれど、心が疲れてやる気が起きない時のためにエッセンスです。以前、”サザエさん症候群”という言葉が流行りましたが、ホーンビームは”月曜日の朝のレメディ”と呼ばれます。このケースで思い出すのは、たくさんの仕事を抱えたイラストレーターの方。『締め切りまでに絵を仕上げなくてはならないのに、どうしてもその気にならなくて、手をつけられません』とおっしゃるので、ホーンビームと共に、地に足をつけて集中力を高めるクレマチスをブレンドしたエッセンスをおすすめしました。すると、その日のうちに『急にやる気になって、溜まっていた仕事を片付けることができました!』と連絡をいただきました。はつらつとしてやる気の状態に導いてくれるエッセンスです。休日が終わり、翌日仕事に行きたくないと憂鬱に思う時、そして何かをやろうと思ってもなかなか腰が上がらず行動できない時におすすめです」

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