特別インタビューVol.5 「恋愛は”今の自分”を映す鏡 恋愛心理学 小川素子さん」

投稿日:2019年7月30日

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第5回目は、心理カウンセラー、ボディワーカーとして活躍するセラピストの小川素子さん。自身も恋愛体質で、パートナーの気持ちを試してしまうような恋愛パターンを繰り返してきたと言います。
相手なくしては出来ない”恋愛”は、時に恋愛依存や共依存などさまざまな形の依存を生み出します。幼少期の自分を癒し、自己肯定感を高めることでさまざまな苦しい恋愛パターンから抜け出せるようになるという”癒しのプロセス”を教えてもらいます。

取材◎本誌編集部


小川素子(おがわもとこ)
都内、千葉を中心に心理カウンセラー、セラピストとして活動中。恋愛心理学セミナー、交流分析、カラーアートセラピーやフラワーセラピー、アロマセラピー、ボディートリートメントを行う。
Salon Ambience サロンアンビエンス http://www.salon-ambience.info
mail@salon-ambience.info TEL080-3697-8259

“恋愛”を深く掘り下げていくと、ご自身の幼少期の体験や抑圧した感情に繋がることが多い

Q.”恋愛心理学”をテーマにセミナーやカウンセリングを行われていますが、”恋愛”で一体何が分かるのでしょうか?

以前、人材派遣会社でメンタルケアを担当していたことと、その後のオーストラリア留学で言葉の壁や文化の違いを痛感し、その時に、人との関わりやコミュニュケーションがどんなに大切か実感したんです。そこで、以前よりさらに”心”に興味を持ちました。

なぜ”恋愛”なのかと言うと、私自身が恋愛体質で、今まで相手の気持ちを試すような恋愛ばかりを繰り返していたんです(笑)。相手にすごく無理をさせたり、自分からケンカをしかけ続けたり。良い恋愛が出来ていなかったですね。

“恋愛”の心理が分かるようになった今、すべてが上手くいっているわけではないけれど、すごく気持ちがラクになりました。また、”恋愛”にまつわる物語は古代からあるし、付き合った経験はなくても恋はしたことがあったりと、誰もが一度は”恋愛”を経験するのではないでしょうか。”恋愛”を深く掘り下げていくと、ご自身の幼少期の体験や抑圧した感情に繋がることが多いんです。ですから、”恋愛”の悩みを通して、過去のインナーチャイルドにアプローチすることが出来ます。”恋愛”は今の自分の心の状態を映す鏡でもあるんです。

Q. “恋愛”にはたくさんの依存が潜んでいるそうですが、具体的にどういう形ですか。

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恋愛依存症になってしまうと、全てが恋愛を中心に周り始めるので、仕事や勉強に集中することが難しくなります。恋愛が始まるとそれ以外がどうでもよく感じてしまい、恋愛感情を抱いている他者に依存し束縛し、”彼が居ないと生きていけない””恋人なら、自分のために何でもしてくれるはずだ!”と強く思いこんでしまいます。

この恋愛依存症はさらに2つのタイプに分けられます。

幼少期の心の傷を相手との関係で埋めようとし、相手を絶対的な対象と見立てて依存し全力でぶつかり束縛する”恋愛依存症者タイプ”、そしてもう一つは束縛されるのを過剰に恐れ、その後対象を子どもやペット、浮気などで埋め相手との繋がりを回避しようとする”回避依存症者タイプ”です。

この両者はお互いに惹かれやすく、”相手の存在があり、自分が存在する”という、過剰に依存し合う”共依存”の関係をつくりやすくしてしまいます。また、”共依存”の関係から、どちらかが回避依存者タイプになると、もう一方がストーカーなどに発展してしまうことも。

また、幼少期の愛され方が”恋愛”に出やすいので、ご自身のお子さまにも影響を与えてしまいます。母親が子どもに依存し過ぎると、子供は回避依存症タイプになりやすいなど、自分の恋愛が未来の世代へと繋がってしまう。そういったことも考えると、やはり今、良い恋愛をしましょう!

パートナーとの関係において、コミュニケーションはずっと大切なエッセンス

Q.幼少期の心の傷や抑圧した感情が恋愛に投影されやすい、ということでしょうか?

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過去に消化できなかった感情は、大人になってからも実は残っていて、それを無意識的にクリアしようとします。それが、恋愛に出やすいんです。

幼少期に「パパ、もっと愛して!」という思いがあったとします。しかし、その感情が抑圧されたままになっていると、恋人と愛し合い内面をさらけ出せるようになってきた時、子どもの頃の感情が「もっともっと私を愛して!」と恋人に対して爆発して出やすくなります。愛し合っているからこそ出てくるものですが、出てくるからこそ、恋愛関係がこじれてしまう。でも、「あれ?これ、小さい頃の感情が出てきているのかな」と、気づけば一歩立ち止まって関係性を見つめ直すことが出来ますよね。

人との関わり合いで同じことを何度も繰り返してしまうことを”ゲーム”と言います。私自身がゲームをしかけるタイプだったので、とても苦痛でした。そこで、初めての感情が芽生えると言われている5~6歳の時の感情までさかのぼってみたんです。寂しさや孤独、でもそれを押し殺すと褒められた記憶。人は、最初の感情をずっと抱えて生きていると言われています。

私のパートナーとのゲームは、「今後のことを話したいんだけど」と私から始め、彼がきちんと答えてくれても、「でもね、でもね」とマイナス方向に話を持っていき、最後には「もう勝手にして」と彼に言わせていた。そうすることで「私はやはり一人なんだ」「誰とも分かり合えない」と感じていました。彼の愛情を試し、100%で求めれらたい。けれど、寂しい気持ちも味わいたい。過去に寂しさを押し殺した時に褒められた、という記憶がそうさせるんです。そうなることで、無意識レベルで安心感にも似た感覚を得ていたのでしょうね。

でも、「このままじゃダメだ。本当にやめたい。やめよう!」と思い、自分自身と向き合いました。今までしてこなかったことを試して、流れを変えてみたり。”私の恋愛はこうだから!”と決めつけることをやめてみたんです。

Q.相手に対して過剰に面倒をみたり、尽くし過ぎるというパターンもありますよね。

 はい。”自己評価””自己肯定感”が低いとそうなりやすいですね。

自己肯定感が低いと、相手に対して過剰にお世話をして、「ありがとう」と言ってもらえることで自分の存在価値を確かめる傾向があります。「この人が居ないと、自分の存在価値がなくなる、存在価値を見いだすことが出来ない」と思い込んでいるので、こういう人は恋人が途切れないことが多いです。なぜなら、次の相手をすぐに見つけないと、自分の存在価値を見い出すことが出来なくなくなってしまうからです。「パートナー」というよりは「ターゲット」に近くなると思います。

また、長く恋人関係や結婚関係が続くとだんだんと諦めが入ってくることあります。「もっとずっと親密でいたいんだけどな」という気持ちが本当はあっても、「もう家族としてしか見られない。異性を感じられない」と思いこんでいたり。

時間が経つと、付き合い始めのような恋人関係とは違うようになりますよね。でも、そこに愛情がないわけではありません。長年一緒に居ると、「言葉にしなくても分かるでしょう」と思うことが多くなりますが、やはり他人ですから。色々なことがお互いに起こるし、想いや感情がズレることだってあります。だからこそ、態度や言葉で伝えるコミュニケーションはとても大切です。「愛してるよ」って言われたら、やっぱり嬉しいんですよ(笑)、それはお互いに。「そんなこと言わなくても分かるでしょ!」ではなくて。パートナーとの関係において、コミュニケーションはずっと大切なエッセンスになると思います。 

Q.小川さんが一番大切にしたい恋愛のポイントとは?

やはり、自己犠牲をやめ、”自分を大切にして、相手も大切にする”ということではないでしょうか。自分を大切にするのと同じくらい、相手も大切にしてあげる。また、してもらうのが当然ではなく、「ありがとう」と伝えることが大切。私は、恋人にたくさんの「ありがとう」を伝えていきたいです。「ありがとう」って思わせてくれることにも、「ありがとう」って思うんです。

“恋愛”は、幸せ、喜び、満足感、恐れ、悲しみ、不安、嫉妬などたくさんの感情をダイレクトに感じます。そして、今の自分の心の状態を映し出します。でもそういった部分に触れることは少し怖いことですよね。

私は、『恋愛心理学セミナー』という形でSTEP1~3まで順を追ってセミナーを行っています。セミナーでは、恋愛のパターンの裏側にある自己肯定感や幼少期の感情を一緒に探っていきます。たくさんのワークを取り入れており、それを行うことで自分自身と向き合い、書き出すことで自分の気持ちや考えを整理することが出来、参加している方たちとのシェアでより深く落とし込むことが出来ます。

「何だか恋愛がうまくいかない」、「いつも同じパターンを繰り返してしまう」、「一人で向き合うことが怖い」と感じる方はぜひいらしてください。彼、彼女だけを、あなたに充足感を与えてくれる唯一の存在にしないでくださいね。 

今日から実践できる!
おすすめセルフトリートメント「寝る前&起床時に!セルフ褒め上手になる」

小川さんがおすすめする恋愛に効くセルフケアの方法は、自分自身をとにかく褒めてあげること。自分を大切に出来る人は、相手も大切にすることが出来ます。まずは、セルフ褒め上手になってみましょう。

HOW TO
パターン1.夜寝る前に、一日を振り返って自分の褒めポイントを3つ思い出し、とにかく褒めてみる。「私から挨拶した」「ありがとうと5回も言った」など、小さなことでも「よくやった!偉い!」と褒める。出来なかったことではなく、出来たことに焦点をあてることが、良い眠りや夢見、良い朝を迎えることに繋がる。

パターン2.自己肯定感が低いと、自分を褒めることすら難しいことが。そんな時は、朝起きた時に、今日やりたいこと(目標)を3つ思い描いてみるのがおすすめ。「花を買って飾ってみよう」「お昼はちょっと贅沢しよう」「本を30分間だけでも読もう」など。そして、それが出来たら自分をうんと褒める。もし出来なかったとしても、トライしたこと自体を褒める。そして、次に繋げましょう。

今すぐチェック!「共依存傾向(人間関係に依存する人)」セルフ診断

相手の存在がないと、自分の存在を確かめられない……
下記の状態で思い当たるものに、チェックを入れてください。

 

合計

診断結果

3コ以上の項目がいつもあてはまるようでしたら、あなたは共依存症の傾向にあるかもしれません。(このチェックシートは断定、診断ではありません。ひとつの目安としてお考え下さい)

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