独立開業して自分のサロンを持ちたいけれど、"お金の計算やプランニングが苦手"という方、あるいはお金のことがよく分からず損をしているセラピストに向けた、税理士でありセラピストでもある益田あゆみさんによる、"損をしないためのマネー講座"です。少しずつ"経営脳"をつくり、"長く続けられるセラピスト"を目指しましょう!
今回は、この青色申告の特典のひとつである「青色事業専従者給与」について、申請方法や諸条件を中心に解説していきましょう。相談者は、年間売上が約200万円のセラピスト・小川陽子さんです。
「青色事業専従者給与」とは?
青色事業専従者給与とは、同一生計の親族が業務を手伝ってくれた場合、一定の条件を満たし書類を提出すれば、給与を支払うことが出来る規則のことです。
ただし残念ながら、サロンの開業や移転時に一時的に手伝ってもらった場合は、お支払いした経費は給与として認められません。
同一生計の親族間(家族間)でお金のやり取りをするにあたり、しっかりと線引きしておかないと、それが生活費の資金移転なのか、あるいは事業用のものか分からず、利益操作のために使われてしまう可能性があります。そのため、あらかじめ届け出をする必要があるのです。
他にも注意する点がいつくかありますので、順を追ってみてみましょう。
青色事業専従者給与の申請条件
①届出書の提出があること
この特典を受ける場合、「青色事業専従者給与に関する届出書」という書類を、所轄の税務署長に提出します。
これは、青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に新たに専従者がいることになった場合、その日から2カ月以内)、と提出期限が定められています。
②事業に専ら従事しているか
「その年を通じて6カ月を超える期間、あなたの事業に専ら従事していること」とされています。ただし例外があります。それは学校を卒業したなど、専ら従事できない期間があった場合で、その時期を除いた期間を計算し1/2以上従事していれば問題ありません。
この「専ら」というのがポイントで、専門学生や大学・高校に通っている人を専従者とすることは厳しいと言われています。あくまで、あなたと同様の営業時間で、一緒に働いてくれる状態であるべきなのです。
例えば、大学生が学校に通わない時間に、アルバイトという形で手伝ってくれた場合に支給する給与については、残念ながら専ら従事には該当しないため、この規定は適用できません。
③労働の対価として正当かどうか
その業務に対して支払われる給与の額が、一般的に判断し高額でないことが重要になります。もし給与が高額であれば、それは必要経費とは認められません。
ちなみに「青色事業専従者給与に関する届出書」には、支給する額を記入して届けなければなりません。
④配偶者控除、扶養控除の対象にならない
家族や親族に専従者として給与を支給した場合、その方を配偶者控除、および扶養控除の対象にはできません。たとえ年間の所得金額が38万円以下であっても、控除対象外です。どちらが有利になるか、じっくりと計算する必要があります。
⑤給与が変更した場合にも届出が必要
届出には、支給する給与・賞与の額を記載しなければなりません。その際に、基本的に支給する上限額を記載します。この額を変更しようとする時が来たら、「青色事業専従者給与に関する変更届出書」にその旨記入し、提出します。
以上のことから、生計一親族を例えて言うと「ひとつの財布で生活している状態である」となります。家族間で給与の支給を行う時には、所得の分散や利益操作を防止するためにも届出書の提出が必要となるのです。