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連載:

自然療法でダイエット! Lesson9

「アーユルヴェーダ・ダイエット」1

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隔月刊「セラピスト」では、11人のセラピストが、自然療法をベースに行うダイエットを、ケーススタディを交えながら紹介しました。現在、クライアントの健康を維持・向上させ、外面だけでなく内面も美しくするセラピストのダイエットが注目を集めています。そこで当時掲載した記事の一部を再録し、紹介します。




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一口にダイエットといっても、一人ひとりの体質が異なるため、その方法も多岐に渡ります。5000年の歴史を持つインド伝承医学アーユルヴェーダでは、体質ごとに適した生き方を提示しており、ダイエット法も各個人に見合った方法を選択します。現在、日本でも多くのダイエット法が実践されていますが、このようなアーユルヴェーダの考えを取り入れたダイエット法を、もっと活用するべきでしょう。またダイエットの障害の一つに意志の挫折が挙げられます。この障害を取り除くためには、ストレスや悩みなどの心の負担を軽くする施術が求められます。今回は、自らアーユルヴェーダやマクロビオティックを実践している高橋栄津子さんに、以上の点を踏まえながら食生活を中心としたダイエット法を解説いただきます。(この記事は、「セラピスト」2005年8月号に掲載したものです)



適切な方法を選択し挫折せず継続させるには?

 ダイエットを成功させるためには、「体質を見極め適切な方法(食生活も含め)を選択すること」と、「挫折せず継続させること」が重要となります。一人ひとりの体質が異なれば、個々へのアプローチも変わってきますので、その人に合った方法を選択することがダイエットへの近道となります。正しいダイエット法を理解し実行しようと決めたのであれば、次に大切なことは、継続する意志と実行力です。つまり、「ノウハウ」と「意志や実行力」があれば、実はサロンに訪れる必要もなく、自分でダイエットを成功させることができるでしょう。ダイエットを目的としてサロンを訪れる方は、おそらく一人で成功させる自信がないから、来られるのではないかと思います。
 ダイエットを始めた時は、意志があるからこそ「やろう」と決断したのでしょうが、ストレスを抱えていたり悩みが多ければ、強固な意志も簡単に崩れ、つい食欲に負けて必要以上に食べてしまいます。そして、その結果に対する自己嫌悪等、新しいストレスが加わり、また食べる、そして挫折......と悪循環に陥ります。そこでセラピストの役割とは、正しい知識や技術をもっていることはもちろん、お客様のストレスや苦悩に寄り添い、心の負担を軽くして差し上げることと考えています。
 私が実践しているアーユルヴェーダは、手技や方法だけでなく、体質別の食品選びや食事の時間帯からストレスとの調和まで、全てを網羅している素晴らしい知恵です。そこで、アーユルヴェーダによる主な体質の見分け方をご紹介します。まず、ヴァータタイプは、3つのタイプの中で一番痩せ型です。そしてストレスに弱く気分や精神状態が変わりやすく、体力も消化力も弱いため、食欲がなければ食事を抜くこともありますし、そうかと思えばやけ食いをしてしまうなど、食生活にむらが多いタイプです。ストレスが原因で一時的に太ることもありますが、ストレスがなくなると何もしなくてもスーッと痩せたりします。
 このようなタイプの方は不規則な生活や寝不足に弱いので、規則正しい生活をすることを勧めて体調を乱さないようにすることが必要です。毎日同じ時間に起き、同じ時間に食事をし、同じ時間に寝る。そして、アンチヴァータの要素を生活に取り入れると良いでしょう。例えば「乾燥」には「油分」を、「冷え」には「温かさ」を補い、また「軽くよく動く」には「横になる(寝る)」習慣をつけることをお勧めします。お風呂で温まった後、温めたオイルを塗って寝るのはヴァータを鎮静させるのに効果的ですし、サロンでゆっくり過ごすことも有効でしょう。ヴァータタイプの方は、体調や気分の大きな変化を未然に防ぐことが鍵になります。
 次にピッタタイプの方の体格は、本質的には中肉中背です。3つのタイプの中では、体重の増減を食事や運動でコントロールをすることが比較的、容易にできるタイプです。ただし、仕事などを意欲的にこなす方が多く、仕事が終わると遅い時間に重い食事を旺盛にしてしまいます。よく食べ、よく飲みすぎる傾向があり、仕事のストレスを食べて解消することも多いようです。
 このようなタイプの方には活動的な方も多く、余暇にジムなどで汗を流し、食べた分、動いて消費することでバランスを取っているかもしれません。また食べ過ぎた後は、軽めの食事をするなど自己管理を得意とする方も多いので、ダイエットをすると決めれば、目標体重に達するまで一人でも成し遂げられるでしょう。そしてサロンには、リラックスやねぎらい・自分へのご褒美として優雅な時間を求めて来られるかもしれません。夜は早い時間に軽い食事を良く噛んで食べて満腹感を感じられると良いのですが、遅い時間に食欲が活性化しないよう、ストレス管理をすることをお勧めします。
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 最後にカファタイプの方は、ダイエットを成功させるのが一番困難なタイプだと思われます。カファには、水を含んで丸く育つ性質があり、構成する物質が冷たく重く動かない(動きが遅い)のです。物を溜め込むことを得意とするので、食べることが何よりの楽しみと思う方も少なくないようです。さらにカファの性質の食品を食べるとカファが増えてしまう(太ってしまう)のですが、このような食品を好む傾向があります。
 カファの性質の食品とは「水分・油分を含んで重く・甘く体を冷やす食品」です。果物・乳製品・スイーツ・主食品(ご飯・パン類・麺類・芋類・豆類)主食や野菜類、肉類など、いわゆる食事の7割が、体を構成するカファ性の食べ物なので、それ以上に甘いものは過剰なカファを生むことになります。食べなければいいのはわかっていても、ついつい自分に甘くなってしまうのもカファの特徴です。カファの体質の方は苦味・辛味・渋味を取ると過剰なカファが減ると言われています。
 このようなタイプの方は、セラピストの支援が必要となるでしょう。食事制限をしても挫折しやすく、あまり動くことを好まない性質なので、ハードなタイプのトリートメントを行って排毒を促進し、目に見える結果を与え、やる気を継続させてください。



食習慣に関するさらに詳しい解説――

 アーユルヴェーダでは、「排毒」という言葉をよく耳にします。この「毒」とは「未消化物」とも言われ、消化できる量以上に摂取した時に出る「あまり」のことです。未消化物が大量に発生すると体に毒が蓄積され、目詰まりを起こします。つまり、体の中が満員電車のようになり、動きが取れなくなるのです。空間がなければ動くことも不可能なので、自分の消化の許容量の範囲で食事を摂らなければなりません。
 アーユルヴェーダでは、消化力は太陽の高さに比例して強くなるといわれています。そのため、食事は朝は軽く、昼にしっかり、そして夜は早い時間に消化の良いものを少量摂ると未消化物が発生しにくくなります。さらに今、体内にある未消化物を消化させるために、生姜等のスパイスを摂ったり、小食や断食をするのも効果的です。またオイルトリートメントや発汗を行い体内の流れを良くし、代謝を上げ排毒をする等、体内の掃除をしてみましょう。
 私はマクロビオティックによる食生活を5年ほど続けていますが、開始後半年ほどでスルスルと8kgも体重が減り、以来全くリバウンドもせず、体も疲れにくくなりました。30歳を過ぎてから痩せたにもかかわらず、皮膚にしわやたるみができなかったことから、マクロビオティックによる方法は正しかったといえるでしょう。
 アーユルヴェーダとマクロビオティックは、「その土地の気候や環境に適した食生活をすることで、その土地で健康に生きていく」という点で共通しています。日本にも和食という食文化があるので、そこに合わせると、その環境に適した体になっていくようです。
 日本は高温多湿な地域なので、「水分は控えめに、塩分は適度に摂る」ことが重要です。一般的には「水分をたくさん摂り、塩分は控えめにする」ことが常識とされているかもしれませんが、それは欧米の乾燥している地域に当てはまる食生活です。乾燥している地域では、皮膚から水分を次々に蒸発してしまうので、絶えず水分の補給が必要となります。その代わり尿の回数が少なく、塩分を排泄する回数も少ないため、塩分を控える必要があるようです。反対に日本では、尿や流れる汗によって塩分やミネラルを捨てているため、味噌・しょうゆ・漬物等、塩分を多めに摂取する食文化が生まれたのです。
 また体重を減らしたい、痩せたいと思っている方は、目標値に達するまでは肉類の摂取を避けた方が良いでしょう。動物の体温は40度以上と比較的高く、それらの脂質はその体温で液体に保たれていますが、その脂質が約37度の人間の体内に入ることで固まり始めてしまうのです。そしてそれらが人体内の経路に付着すると目詰まりが起こり、消化物の流れを悪くする要因となります。私も玄米菜食によってお腹のもったり感が消え、すっきりしました。
 現代は、人類の歴史上、異常ともいえる飽食の時代です。かつて人類は飢えに苦しみ乗り越えてきたため、飢えに対する耐性があります。たとえ飢えによって血糖値が下がったとしても、血糖値を上げるホルモンは5種類もあるのです。一方、血糖値を下げるホルモンは唯一、インスリンだけなのです。
 また、今では時間さえあれば毎日欠かさず3食摂ることができます。極端に言ってしまえば、次の食事時まで、エネルギーが持てば良いわけです。食べる目的が「生きるため」から「楽しむため・欲を満たすため」に変わってしまった今日、欲に走らない食生活のための心のケアのほうが、ダイエットを成功させる秘訣のような気がします。
 ダイエットを望むクライアントへの施術の際には、心のしこりを柔らかくするアプローチが必要です。セラピストのタッチによって、みぞおちの辺りに今までなかったしこりを感じた経験はありませんか? 人は皮膚によって体外との境界線を形成しています。そこで体内に凝り固まったものを、体外に排泄させるような気持ちで優しくストロークしてみましょう。するとクライアントは、体内の圧力が軽くなり、体も軽く楽に感じ、物を詰め込もうとする欲求も減り、必要な分だけ食事をすると満足感が得られるようになるはずです。なるべく自分とそれ以外に、目に見えぬ境界線を作らず、未消化物による目詰まりを起こさず、消化物がさらさらと体内を通過していくようにすると、感情の毒も未消化の毒も溜まりにくい体質になるでしょう。
 次ページから解説するケーススタディでは、効率よく老廃物を排泄させるトリートメントテクニックと、ストレスを和らげ、心の負担を軽くするタッチの方法をご紹介します。


(Lesson9 おわり)

著者プロフィール

高橋栄津子

フィットネスクラブ、都内某クリニックにて運動を通して健康産業に携わった後、東洋医学・臨床心理学・アロマテラピー・アーユルヴェーダを学びそれらを組み合わせた方法で施術を行うLa・Marを立ち上げる。オイルトリートメントだけでなく、生活習慣や食事などもアドバイスすることで健康をサポートすることをコンセプトにしている。現在は鍼灸師を目指し専門学校に通学中。

自然療法でダイエット!

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