隔月刊「セラピスト」では、11人のセラピストが、自然療法をベースに行うダイエットを、ケーススタディを交えながら紹介しました。現在、クライアントの健康を維持・向上させ、外面だけでなく内面も美しくするセラピストのダイエットが注目を集めています。そこで当時掲載した記事の一部を再録し、紹介します。
ケーススタディ
食生活の改善とストレスケアでPMSと生理痛が激減!
Aさん(歯科医・32歳)のダイエット・ケース
01.施術前
Aさんは大変頭がよく真面目で、道徳的な考えをお持ちだったため、他人と意見が食い違う時はいつも自分の意見を押し殺し、相手の意見を尊重してきたそうです。さらに不平不満を口に出さないように、またストレスを感じないように抑圧する傾向があったと思われます。
ストレスを認識しないようにするために、甘いものを少しずつつまむことが習慣になっていました。元々の来店の理由は、疲労回復のためでしたが、徐々にPMSや生理痛があることを打ち明けてくださったので食生活を伺ったところ、生理前に特にイライラや倦怠感を紛らわすため菓子パンなどを食べる傾向が強いと、ご本人自身も気づかれたようです。
婦人科のトラブルは、甘いものを食べているとなかなか改善しないため、スイーツ類の代替として蜂蜜やドライフルーツで甘みを摂り、玄米食を中心にされることを勧めました。そして施術は、ストレスを緩和する方法に切り替えていきました。
アーユルヴェーダコース(オイルトリートメント+シロダーラ+発汗)を受けていただいたところ、シロダーラの施術中、『自分』という枠を越えて、意識だけが空間に溶け込んでいるような、宇宙にぽっかり浮かんでいるような、とても楽な状態を味わったとおっしゃいました。この感覚を味わってから、Aさんの考え方がどんどん柔軟になっていきました。人は「~しなければ、~であるべき」といった固定観念が強くなると、固く厚い殻に覆われたようになり、感情などが開放されにくくなります。捉われる要素が多いほど、その要素に当てはまらない事柄に出合うと不快感が生じ、さらにストレスは増えていきます。アーユルヴェーダやヨガは、その殻を徐々に薄くしていくような効果があるようです。この、捉われの要素を減らすことで、人の心は楽になっていくのではないでしょうか。
水が高い所から低い所に自然に流れるような、通りの良い心と体を目指したいものです。シロダーラは、簡単にはメニューに取り入れられないと思いますので、ヨガや瞑想を平行してお勧めすると良いでしょう。
02.トリートメント・テクニック
タッチは深くソフトに行う。写真2のように腕や手に力を込めすぎて施術するのではなく、クライアントと意識をリンクさせ、凝り固まった部分を優しく包み込むようにタッチする。この時、腕や手の力を抜き、丹田からの気を伝達させる。気で包み込むようにしなやかに。
大腿部内側は、冷えや婦人科のトラブルが現れやすい部位。うっ血・停滞しているものをその場所から剥がし押し流すように行う。内部のものを移動させるには筋肉をゴムのようにイメージして、伸び縮みさせ、その力で中のものを押し出す。筋肉の起始部・停止部を最大に伸縮させること。
写真3~6同様に、腕など細い部分は、筋肉の伸縮度を最大に活用し、搾り出すように中のものを移動させる。この時、空間がないと動きが起こらないので、製氷皿をひねると器から氷がはがれるような感じをイメージして、老廃物を剥がすように施術する。
消化器の疲労が蓄積しやすい背骨の両脇は、ポンプの作用で、老廃物を排泄しやすいところまで引き上げる。肋骨は弾性が強いので、圧迫すると少々たわむ。この弾性を利用して、深部の老廃物を吸い上げ、浅層部の流動性の高い部位に運べば、その流れに乗った老廃物は、自然に排出されるべき場所に運ばれていく。
消化器の疲労(よく噛まず早食いをする、深夜に重い食事を摂る傾向)がある方は、Aの部位にハリが生じるので、その部位を押すようにする(脊柱の上は、決して押さない)

シロダーラによって、潜在意識下に抑圧した感情を浄化する。過去の出来事から感情を切り離し、心の重荷を降ろす。
03.施術後
アーユルヴェーダの施術からしばらくして、次回、お越しになった時、Aさんはいろんなことを話してくださいました。特に、心が軽く楽だったことに感銘を受けたと強くおっしゃっていました。日常でもそのような感覚を味わいたいとご希望になったので、ヨガに通われるようにお勧めしました。
ご自分でスタジオを探し通ったところ、アーサナの後の安らぎのポーズ(屍のポーズ)で同じような感覚を味わえたと喜んでくださいました。そして玄米食についても、ご主人は白米を食べたいと意見が合わなかったらしいのですが、今回は炊飯器を2台にしてご主人は白米、ご自身は玄米とお互いの意見を尊重し、共生していく方法を思いついたそうです。これはその他の人間関係にも生かされ、以前より我慢することが少なくなり、甘いものを欲求しなくなったそうです。
3カ月後にはPMSも全くなくなり、生理痛も激減したと大変驚かれ、喜んでくださいました。体型はもともと中肉中背から痩せ型の方でしたが、お腹の中が軽く、通りが良いと感じるようになったそうです。
(Lesson10 おわり)